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【正論】「混迷国会」 「遊戯気分の政治」を越えよ 東洋学園大学准教授・櫻田淳 (1/3ページ)
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「大正デモクラシー」の旗手とも称される吉野作造は、大正9年に執筆した論稿で次のように述べている。
「議員の内には、例えば物価問題などを論じて、六千万の生活をいかにせんなど、目を剥(む)く者はあっても、吾々は更(さら)に吾々の要求が彼らによって十二分に代表されたとは毛頭思わない。これ彼らが『国民生活のため』に叫ぶことを知って、国民生活の何たるやを未だ嘗(かつ)て研究せないからであろう。…畢竟(ひっきょう)するところは彼らの遊戯気分を満足せしむるに過ぎないかに見える。この感は、…衆議院に至っては、更に政権争奪の利己的動機が加わるところから、彼らの討論の色彩は、ますます国民的要求から遠ざかる」
この吉野作造の記述は、「ねじれ国会」状況下の「党争」に重ね合わせれば、誠に示唆深い。民主主義体制下では、政治家は誰であれ、主観的には「国民生活のため」という大義を掲げて政治活動に精励するかもしれないけれども、その政治活動は、客観的には国民の要請から離れた「遊戯気分の満足」を政治家自身に対して提供するものでしかないことがある。吉野は、既に90年近く前に、そうした危うさを指摘していた。
問題は「党争」の論理
筆者は、新テロ特措法や日銀総裁人事の折に比べれば、揮発油税暫定税率失効に際しては、民主党の対応に強い批判を加える気はない。安全保障、対外関係、国際経済に絡む「相手がある」案件と対照的に、揮発油税暫定税率の扱いのような「内治」案件での対立は、国民生活に直接の影響を及ぼさないわけにはいかないものであるけれども、その影響は、国民各層の忍耐と努力が伴えば乗り越えていくことができる。

