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【主張】土地価格 注意要する景気への波及

2008.3.27 03:11
このニュースのトピックス景気

 国土交通省が発表した今年の地価公示は、住宅地、商業地とも全国平均で2年連続の上昇となり、全体としては地価の回復傾向を改めて裏付けた格好だ。

 しかし、下げ幅が縮小したとはいえ、地方ではなお下げ止まる気配はない。大都市部も、ここにきて上昇ペースに頭打ち傾向が見え始めたのも気になる。

 実需を反映した地価の形成という観点からは望ましい姿といえるが、政府の景気判断が下方修正を余儀なくされる中で、その動向には注意が欠かせない。日本経済の景況感をいたずらに悪化させることがないよう、政府としても十分な目配りが必要である。

 地価公示は毎年、前年下半期の地価動向を軸に1月1日時点の数字として公表される。しかし民間の調査結果では、都市部の上昇率鈍化の傾向は一段と強まっているといわれる。

 それを裏付けるように、不動産投資信託(REIT)価格もまた年明け以降、低迷したままだ。不動産投資における収益率の低下が背景にあり、資金が不動産からシフトしている結果だ。

 米国の低所得者向け高金利型住宅ローン(サブプライムローン)問題で欧米の不動産市況が不安定化していることも背景として見逃せない。耐震強度偽装問題を受けた建築基準法改正で建築確認手続きが遅れている行政の不手際も、間接的に影響していそうだ。

 長く続いた地価下落は、低金利と相まって、マンション取得ブームをもたらし、一時はデベロッパーの売り惜しみまで出たが、現在はむしろ、在庫の積み上がりが懸念されている。

 地方でも地価が上昇しているのは再開発地区や有力メーカーの大規模工場の進出などによる限られた場所だけだ。上昇地点はピンポイントにすぎず、地域全体で地価が上昇しているわけではない。ましてや地方全体に地価上昇の波が広がっているわけではない。

 一部の地方都市が地域活性化の牽引(けんいん)役を果たすのは歓迎だが、全体としてバランスよく活気が広がっていくことが重要だ。

 地方の自立を促し活気を取り戻す地方分権化が急がれる理由もそこにある。土地は利用されて初めて価値を生じる。経済活動の活性化こそが地価下落を止める最大の方策であり、逆はない。

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