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日銀総裁人事迷走 首相の調整能力不足露呈
日銀総裁人事は政府からの国会提示が17日見送られ、混迷の度を深めた。福田康夫首相は同日、「ここまでもつれるとは思わなかった」と語ったが、首相の指導力や情報収集力がともに不足しているのが原因だと指摘する声が与野党から高まっている。安倍晋三前首相は「お友達内閣」と揶揄(やゆ)されたが、福田首相には手足となる「仲間」がいない現実が露呈された格好だ。民主党の「良心」に依存した結果、自身の首を絞める形となっている。
17日昼の政府・与党連絡会議。首相は出席者を前に、日銀総裁人事に同意しない民主党の対応を愚痴った。
「人事にしても、政策にしても、民主党の考え方が十分に伝わってこない」
14日に「すべて白紙で考える」と表明した首相は15、16の両日、首相公邸に自民党の大島理森国対委員長らを呼んで民主党の現状を聞いたほか、町村信孝官房長官や自民党の伊吹文明幹事長とも電話で協議した。伊吹氏らは、民主党だけではなく、政府・与党内も武藤氏の再提示は困難な空気になっていることを伝えたとされる。
代わって首相が17日午前に出した案が、福井俊彦総裁や武藤敏郎副総裁の続投。首相に近い自民党閣僚経験者が「与野党双方が頭を冷やすための一時しのぎ」として伝えた案だった。だが、「任期を1カ月程度に区切ることと、『武藤総裁』をあきらめる」(閣僚経験者)という「条件」を首相は無視した。このため、村上ファンド問題で福井氏を批判してきた民主党はのめなかった。
公明党幹部は「自民、民主両党の幹事長、国対委員長のラインには信頼関係がないから、民主党の感触が取れないのだ」と指摘する。
薬害肝炎問題や、道路特定財源の暫定税率維持をめぐる「つなぎ法案」の対応で首相に「助け舟」を出してきた与謝野馨前官房長官は「官邸サイドからの要請がない」(与謝野氏周辺)ため、今回は首相と距離を置いている。16日のNHKの番組で「事前に各党の考えを聞いてから物事を進めないといけない」と首相サイドの対応を批判したが、裏で民主党と協議できる「持ち駒」を持たない首相の限界を暗に指摘したともいえる。
民主党の執行部は武藤氏にこだわる首相の真意が読めないままだ。首相の胸中について同党からは「野党に屈したと思われたくないだけではないか」などという声も漏れる。ある同党幹部からは「福田さんは孤独なんだ」という同情論まで飛び出した。





