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【正論】「人権」の正しい歴史認識が必要 埼玉大学教授・長谷川三千子 (3/3ページ)
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したがつて、もしも本当の人権擁護法案を作らうとするならば、かうした「人権」概念の危険な特色をよく見極め、〈人権の共喰ひ〉をふせぐといふことを法案の柱となすべきであらう。ことに近年のやうに、新しいさまざまの「人権」が登場してくると、たとへば「プライバシー権」と「報道の自由」のやうに人権の概念同士が衝突し合ふといふ事態が多発すると予想される。それらを、国民全体の安全と幸福の確保、といふ政治の原点に立つて交通整理するための基本的な法律を作つておくのは大切なことだと言へよう。
ところが、3年前に作られた人権擁護法案では、「人権侵害」はもつぱら「不当な差別」として想定されてをり、基本的人権の第一にうたはれる「生命」の権利については言及すらない。何をか言はんや、である。いまわれわれが必要としてゐるのは国民全体のための真の人権擁護法案なのである。(はせがわ みちこ)

