ニュース: 政治 RSS feed
【安全保障読本】普通の国・フランスと異常な国・日本 (1/3ページ)
このニュースのトピックス:イラク情勢
海上自衛隊の補給艦が、インド洋で対テロ阻止活動中の各国海軍に対する補給活動を4カ月ぶりに再開した。海自が不在の間、中東・インド洋におけるフランスの動きには目を見張った。仏軍はインド洋において対テロ活動を実施し、空母も4回派遣。アフガニスタンでは1000人規模の陸上兵力を展開し、空軍も兵員を輸送している。イラク攻撃に反対しながら、フランスの国際社会への影響力はむしろ強まっている。影響力を断ち、自ら「失われた4カ月」をつくった日本とは対照をなす。自衛隊は、空母や海兵隊を保有する仏軍のように遠征型ではないが、規模はほぼ同じだ。この際立った「対照」は、外交と軍事が一体となり国益を追求する「普通の国」と、それをしない「異常な国」の差である。
フランスは表向き国連重視の立場から、米軍中心のイラク攻撃に反対したが、イラクにおける自国のエネルギー権益を守るためだったとされる。民主党も国連決議がない、海自のインド洋派遣は憲法違反だと反対したが、政権奪取に向けた政略でもあった。ただし、国家が「国益」で行動することは当然だが、外交・安全保障に関する限り、政党は「党益」で行動していいはずがない。
もっとも、イラク攻撃に反対した仏政府でさえ、海自の補給活動を、日本国憲法が尊ぶ「国連憲章に十分沿っている」と明言する。そればかりか、仏海軍は昨年11月、インド洋に面するソマリアに対し食糧援助を続ける国連世界食糧計画(WFP)の支援船を、海賊の襲撃から護(まも)るべく哨戒を始めた。ソマリア沖では、昨年初めからこの時点まで22件の襲撃が発生、内2件が支援船に対しであったのだ。ソマリアの隣には仏領だったジブチがあり、仏陸空軍が国防の一端をになう。仏権益保護が派遣目的だとしても国連重視の姿勢は貫かれた。