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平成版前川リポート策定へ 専門調査会が初会合
「平成版・前川リポート」を策定する内閣府の「構造変化と日本経済」専門調査会(植田和男会長)が26日、初会合を開いた。グローバル化に乗り遅れ、少子高齢化で内需の伸びも期待できないなど、日本経済には閉塞(へいそく)感が漂う。成長の足かせとなっている構造的な課題をあぶり出し、持続的な成長の処方箋(せん)を示せるか。6月の取りまとめに向けて骨太の議論が進められる。
初会合では、(1)グローバル化の中で日本が抱える弱点の克服(2)消費を増やし、景気拡大を続けるための賃金配分(3)格差是正(4)日本の国際貢献などを論点とする方針を確認した。議論のなかでは、委員から「国際的に通用する高度人材の教育、育成が不可欠だ」といった意見や、「世界的な改革競争のなかで、日本は遅れている」との指摘もあった。
大田弘子経済財政担当相は初会合に出席し、「新しい経済構造の視点を出してほしい」とあいさつ。これに応えて、植田会長も「国民に夢を与えられるリポートにしたい」と抱負を述べた。ただ、論点自体が経済財政諮問会議などと重複感があることは否めない。具体性のある提言をどこまで盛り込めるかも不透明だ。
約20年前の前川リポートは、莫大(ばくだい)な貿易黒字を抱えた日本が、米国はじめ世界から猛烈な批判を受けているなかで策定された。厳しい危機感を示し、内需拡大や市場開放の必要性を打ち出した報告書は、行き過ぎた外需依存を自戒し、再発防止を約束した“反省文”でもあった。
これに対し、今回策定される「植田リポート」は論点は似ているが、時代背景がまったく違う。日本に対する世界の関心は比較できないほど低くなり、日本は拡大する新興国経済やグローバル化の潮流を追う立場だ。
世界を再び日本に振り向かせるためには、海外資本の流入を阻む規制や慣習の撤廃、国際的な規格への準拠、さらには税制にまで踏み込んだ内需拡大策を打ち出す必要がある。しかし、膨大な債務を抱えるなかで、衆参両院のねじれで国会審議も遅々として進まず、外資規制一つとっても閣内不一致というのが日本の現状だ。斬新な具体策をどこまで打ち出せるのか、福田内閣の真価が問われている。


