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【正論】「天下り」温存の外資規制 政治評論家・屋山太郎 (1/3ページ)

2008.2.21 03:34
このニュースのトピックス正論

省益優先の「官僚内閣」で国滅ぶ

 ≪「国の安全」の隠れみの≫

 福田首相、町村官房長官による外資規制は日本経済を危うくする。国内の株式市場の売買シェアの7割は外国人投資家に負っている。だからこそこれまで政府は外資に対して「対日投資の拡大」を呼びかけてきた。ところが国土交通省は羽田や成田の主要空港施設に外資規制をかけようと言い出した。政府がこうした閉鎖的姿勢をみせること自体危うい。当然、外資導入を叫んでいた渡辺喜美金融担当相、大田弘子経済・財政相、岸田文雄規制改革担当相らが「規制反対」の意見を表明した。どういうわけか甘利明経済産業相は沈黙。

 国交省が空港への外資規制を言い出した動機は2007年夏に、豪州のマッコーリーグループが羽田の日本空港ビルの20%近い株を買ったからだ。日本空港には元運輸審議官が天下り、途方もない給料をもらう一方、株主への配当は極端に少ない。マッコーリーは経営改善を求めている。外資に買われると天下りも拒否されかねないと恐れた国交省が打ち出してきたのが、空港施設への外資規制だ。

 成田国際空港会社は昨春、安倍官邸が黒野匡彦社長(元運輸次官)の留任を拒否して住友商事から民間人を社長に起用した。オープン・スカイを目指す安倍路線と運輸官僚の考え方に差があったからだ。それでも運輸官僚(国交省)は同空港会社に役員12人のうち5人もの常勤役員を押し込んでいる。「国の安全」を口実に外資規制をかけておけば、天下りのワクだけは確保できるとの思惑だろう。

 ≪空港にも電力にも横車≫

 この発想は「省あって国なし」そのものだ。外資導入という錦の御旗に背いても、天下りポストだけは確保したいという実に小さな動機で国策を考えるのが官僚根性だ。英国のヒースロー空港はスペインの資本、コペンハーゲンの空港は羽田と同じマッコーリーが持っている。資本は誰が持とうと有事の際には当該国の命令に従うという「行為規制」で十分なのだ。

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