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【正論】モノづくりにこだわり過ぎた 尚美学園大学客員教授・丸尾直美 (1/3ページ)

2008.2.6 03:22
このニュースのトピックス正論

経済復活のカギは金融資産活用に

 ≪日米経済逆転の原因≫

 「ナンバーワン」といわれるほどの経済繁栄を謳歌(おうか)した日本は1990年代にバブル経済崩壊と長い経済停滞で、1人当たりGDP(国内総生産)も世界の十数位に転落した。この没落から立ち上がりかけた矢先、アメリカの住宅ローンの不良債権問題で、日本の株価も急落し、一層の地位低下が懸念される。

 もっとも今回の経済混乱は資産型であり、不良債権を抱える金融機関や企業に民間と政府が資金を投入することが、危機克服策になる。この点を了解している各国が問題会社に大量に資金を投入して不安の連鎖反応を阻止すれば、深刻な世界経済危機にはならないはずだ。

 ところが今回の日本の狼狽(ろうばい)ぶりは「アメリカが風邪をひけば日本は肺炎になる」というかつての言葉を思い起こさせる。80年代の自信過剰気味だった日本がなぜこんなに弱気になり、経済的地位を低落させたのか。

 まず80年代から90年代にかけての日本と欧米の地位逆転がなぜ起こったかを考えてみよう。日本経済が世界で注目されたころには信頼と協力を重視する日本的経営と労使関係は、日本経済成功の原因の一つとして注目された。

 日本の金融機関は資産額で、世界の金融機関の上位を独占するほどにまで発展したが、銀行破産のリスクを避ける護送船団方式も長所と考えられた。いずれも市場競争にはなじまない方式による優位だった。

 こうした優位が80年代末に逆転した一つのきっかけは、市場競争を公正にという大義名分のもとで行われた国際金融市場競争のルール変更と護送船団の解体だった。金融市場情報の先駆国と金融IT(情報技術)で遅れていた国との国際金融市場による平等な条件での競争は敗北を意味した。しかし、市場ルールへの対応に遅れた日本にも責任があった。

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