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【主張】公務員改革提言 首相の本気度が問われる
「死に至る病」ともされる官僚機構を効率的で活力のある組織に立て直すにはどうすべきか。国家公務員制度の抜本改革に向け、政府の有識者懇談会がまとめた最終報告書からは、そんな現状への強い危機意識がくみ取れる。
官僚組織の硬直化、自己増殖化は深刻だ。政治の不在もあり、行政の枠を超えて立法分野まで仕切るほどの強大化・肥大化ぶりである。これが目に余る「天下り」の横行や政・官癒着を生み、結果的に国費の乱費をもたらす構造につながっている。
報告書は、各省縦割りの硬直した人事制度を排除するための「内閣人事庁」創設とキャリア制度の抜本的な見直しに加え、「政・官の接触」を厳しく制限するよう求めている。
人事庁の創設は、官民交流も含め、国家公務員の採用・配置を政府が一元管理することで、人材の効率的活用を図るのがねらいだ。採用時から幹部候補を決める硬直的なキャリア制度にもメスを入れ、徹底した能力・実績主義の導入を求めている。
国会議員と官僚の接触については、当初は完全禁止を求める意見もあったが、最終報告では、閣僚、副大臣、政務官と一部の「政務専門官」を除く「原則禁止」の方針が盛り込まれた。現実的判断といえよう。
公務員制度の抜本改革には、既得権益を奪われる官僚側はもちろん、官僚との癒着で利権を得る与党の族議員らからも強い抵抗がある。このため、通常は官僚が行う報告書の起草も、今回は懇談会の委員自らで行うという異例の手法がとられた。
その報告書は近く福田康夫首相に提出され、政府は3月上旬に改革の大枠となる「国家公務員制度改革基本法案」(仮称)を今国会に提出する段取りである。だが、気になるのは肝心の首相から公務員改革への決意が一向ににじみ出てこないことだ。
懇談会は安倍晋三前首相の強い意向で発足したものだが、安倍氏辞任後の会合に福田首相は一度も出席せず、報告書も予定から2カ月も遅れた。
今後の焦点は、報告内容を政府がどこまで法案に具体化させるかだ。仏はつくったものの、魂が入らないのでは意味がない。改革への首相の本気度と指導力が問われている。