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【正論】国際社会の大転換の始まり 拓殖大学海外事情研究所所長・森本敏 (1/2ページ)
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米国一極から多元的な多重構造へ
≪まず各国指導部交代から≫
国際社会は2010年前後に冷戦後最大の転換期を迎え、2008年からそれに向けた変化が起こる。春には、韓国・台湾・ロシアの指導部が交代し、夏には北海道・洞爺湖サミットの後、北京オリンピックがあり、秋には米国大統領選挙を迎える。指導部の交代は、国際政治経済に重要な影響を与える。
パキスタンやアフガニスタン、トルコ・クルド問題も深刻であり、テロ戦争も変革期を迎えるであろう。
サブプライム問題・原油価格高騰・気候変動などの問題もある。米国は大統領選挙を経ていかなる政権になろうともイラク戦争で傷ついた米軍を再生し財政を再建するため、同盟国に一層の負担を迫り、国内問題に集中する内向き現象が起こる。
米国経済は世界経済との相互依存関係が極めて深いが、その米国経済の低迷やイラク戦争による途上地域での反米感情の高まりは米国の指導力低下を招いている。冷戦後における最大の幻想は米国の一極性であった。しかし、世界が多極化するというのも誤解である。世界は多極化するのではなく、多元的な多重構造ができるに過ぎない。
2010年までに、米国やロシアの新政権の政策がおおむね出そろう。中国は上海万博を主催し、一方、中台軍事バランスは、中国優位に転じる。中国が軍事力を背景にして台湾の政治的変化を画策できる余地ができることになる。
この頃までに朝鮮半島情勢に大きな変化が起こる可能性が高く、6カ国協議が北東アジアの地域的枠組みに発展し、その中で休戦協定が平和条約に代わり、南北統一プロセスが事実上、議題にあがってくる可能性が高い。米国は日本ではなく中国を選択してアジア問題を切り抜けようとするに違いない。

