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【産経抄】1月22日

2008.1.22 03:13
このニュースのトピックス産経抄

 1本の手紙が、歴史を変えることがある。長州藩の木戸孝允が坂本龍馬に書いた手紙もそうだった。慶応2(1866)年1月23日(旧暦)、木戸が薩摩藩の西郷隆盛らと薩長同盟を結んだ直後のことだ。

 ▼倒幕に向けて取り決めた6カ条について、同盟を仲介した龍馬に確認を求めた。これまでさんざんひどい目に遭わされてきた、薩摩藩への不信感はぬぐえなかったらしい。龍馬は「すこしも相違これ無く候」などと朱筆で裏書きし、署名した。

 ▼これによって、明治維新への道筋ができたといっていい。司馬遼太郎によれば、薩摩と長州が手を握れば天下を動かすことができることは、志士たちにとって「常識」だった。同時に、犬猿の仲の両藩が連合することなどあり得ないことも常識だった。

 ▼それを一介の浪人にすぎない龍馬が、成し遂げることができたのはなぜか。龍馬の「魅力」が化学反応を起こした、と司馬はいう。その魅力について考えるうちに生まれたのが『竜馬がゆく』だった。このほど新しい国民運動組織を発足させることになった知事たちは、どうやら龍馬を気取っているらしい。

 ▼「日本を今一度せんたくいたし申候」。組織の略称の「せんたく」は、龍馬が故郷の姉、乙女にあてた手紙の、有名な一節から名付けられた。ならば、参院で野党が過半数を占める「ねじれ」のために、国会が機能不全に陥っている「常識」を覆してほしい。

 ▼「生活者起点」「脱官僚、脱中央」といった耳に心地いいだけのスローガンは聞き飽きた。国民の多くは、ある程度の我慢を強いられることを覚悟している。もちろん未来に明るい展望が開けることが条件だ。それを説得できるかどうかは、運動組織の「魅力」にかかっている。

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