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「生活者優先」も薄い新機軸 首相の施政方針演説
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福田康夫首相は18日、初の施政方針演説で、昨年秋の就任直後から主張してきた消費者・生活者重視や環境問題への取り組みに改めて重点を置いた。首相は年初から、演説向けの勉強会をほぼ連日開いてきただけに、与党内では今回の演説を契機に首相が「福田カラー」を鮮明にするとの期待が高まっていたが、目立った新機軸はなかったといえる。
首相の慎重さには、自民党内でもいらだちが募っている。伊吹文明幹事長は、首相が演説と同じ趣旨で「国民の視点」を訴えた17日の党大会後、記者団に「首相は何を目指すか打ち出すべき時にきている。そろそろ福田色を出したほうがいい」と注文をつけた。
演説では、消費者行政の新組織発足など、具体的な「新政策」があることはある。環境面でも低炭素社会実現に向けた強い意欲を示し、「夢を抱くことができる国」づくりへと、首相には珍しい情に訴える言葉もあった。
しかし、一番力点を置いた「生活者重視」は民主党のキャッチフレーズで、二番煎じの感は否めない。民主党は揮発油(ガソリン)税の暫定税率廃止で「ガソリン代25円値下げ」を通常国会の旗印に掲げる。暫定税率を維持する首相の説明が足りなければ、「生活者重視の首相がなぜガソリン代を下げないのか」と逆手にとられる恐れもある。
生活者重視、国民の視点−との言葉を首相は多用するが、裏付けがなければ国民の心まで届くか分からない。自民党には「福田首相では衆院選は戦えないのではないか」(中堅)との声が出始めてもいる。これからも抽象的な言葉の羅列で自身のカラーを出せなければ、民主党と戦う前に自壊する可能性も否定できない。(酒井充)