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危機連発 自民党大会は「隠忍自重」
自民党の第75回定期党大会が17日、都内のホテルで開かれた。福田康夫首相(党総裁)はあいさつで「立党以来の最大の危機だ」と指摘し、「国民の声に耳を傾け、自民党に対する消えぬ期待の炎を燃えさかる支持と支援の炎に変えていく。立党宣言に戻って大きな転換をしたい」と述べた。
また、18日召集の通常国会について「国会は非常に難しい状況だ。困難があっても党利党略でなく、真に国民のための結論を得る」と述べ、平成20年度予算案や予算関連法案の年度内成立に全力を挙げる考えを示した。
大会では、伊吹文明幹事長が平成20年運動方針を報告、採択された。運動方針は、格差問題の是正や農林水産政策の推進などの重点政策を打ち出した。首相は「原油価格や輸入食料品の高騰、株価下落が、短期的なのか長期的なのか見極めて対応したい」と強調し、国民の立場に立った政治の実践をアピールした。
(大谷次郎)
全国から約3400人の党員・党友を集めて盛大に催された17日の自民党党大会。福田康夫首相(党総裁)の就任後初めての大会は、衆参ねじれ国会のあおりを受け、「隠忍自重」(首相)な重苦しい空気が漂った。郵政選挙で大勝し、自信に満ちた平成18年の小泉党大会、最年少総裁誕生で期待感にあふれた19年の安倍党大会とは隔世の感がある。首相が明確な「福田ビジョン」を打ち出し、党員の自信と希望を取り戻すことが、政権浮揚の第一歩といえそうだ。
「自民党は立党以来の最大の危機なんです」
拍手の中で壇上に上がった首相は笑顔も見せず、切々と厳しい現状を訴えた。
「徹底的に国民の立場に立つ政治」「国民本位の政治」「国民の期待の炎」「国民政治の再生」−。首相はわずか10分の演説で“国民”を35回も繰り返し、最後は「どうぞご支援を心からお願いします」と深々と頭を下げた。
例年の党大会は通常国会召集直前に、党勢を内外にアピールする「景気付け」の場だが、今回は47都道府県連の女性幹部の一言スピーチをのぞき、派手な演出は一切なかった。
思い起こせば、19年の党大会では、安倍晋三首相(当時)が巨大な筆で自らのスローガン「美しい国、日本」を揮(き)毫(ごう)。そして、「戦後レジームからの脱却」を高らかにうたっていた。
その前年の18年の党大会は17年秋の郵政選挙で大勝し、自信にみなぎっていた。多くのチルドレンを従えた小泉純一郎首相(当時)は「改革の加速」を宣言。最後は全員にペンライトが配られ、コンサート会場のような雰囲気で幕を閉じた。
しかし、今大会は、焦りばかりがにじみ出た。
来賓の御手洗冨士夫経団連会長は、「国民生活を豊かにするために強力な改革を進める必要がある。それが閉塞(へいそく)感を払拭(ふつしよく)し、格差解消につながる。スピーディー、着実に進めることを期待する」と注文を付けたが、首相からはついに「改革」の言葉は聞けず終いだった。
首相のあいさつが終わり、伊吹文明幹事長の党務報告が始まると、後列の出席者はゾロゾロと席を立った。レセプション会場でも話題は原油高、株安、解散時期−など暗いニュースばかり。
一方、福田政権で無役となった麻生太郎前幹事長や安倍前首相らには人だかりの山ができ身動きできないほど。写真撮影や握手攻めにあっている麻生氏に対し、記者団が「内閣支持率も下がり、そろそろポスト福田の…」と水を向けると「ああ、そっちの話にしたいわけか。その話に答えることはありません。ガハハ…」ときびすを返した。