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1兆円超の返済に赤信号 国有林野、見通し甘過ぎ (1/2ページ)
国有林野事業特別会計が抱える約1兆3000億円の累積債務について、新たな税金は投入せず、平成11〜60年度の50年をかけて木材や不動産の売却による自己収入で完済していくとした林野庁の目標に、早くも赤信号が点滅し始めた。
同庁の木材市況の見通しが甘過ぎ、自己収入は初年度から5年間の予想額に対し実績は76%の約2900億円、16〜18年度では49%の約1300億円まで落ち込み、既に一部の元本返済が滞っている。
林野特会は21年度に廃止、22年度から天然林管理や治山事業を担う林野庁(一般会計)と、同庁から人工林整備や木材販売を受託する新設の独立行政法人に分割されるが、同庁は今のところ「木材販売の収益を累積債務の返済に充てる方式に変わりはない」としており、厳しい経営状態が続く見通し。
一方で「独立採算」を基本とする特会に比べ、一般会計では事業収支の実態が見えにくくなりかねず、この機に乗じて、税金の再投入で借金を減らす“苦し紛れ”の計画見直しが図られ、国民が負担を押し付けられる可能性もゼロとは言い切れない雲行きだ。
赤字続きの林野特会は、10年度に政府の資金運用部資金(現在の財政融資資金)からの借金が約3兆8000億円まで膨張。11年度から約2兆8000億円を国の一般会計に移し、残り約1兆500億円と新たに民間金融機関から借り入れた約2300億円の1兆3000億円近い負債を、自己収入で返していくことになった。
林野庁が公表した長期の収支見込み通りなら、自己収入は11〜15年度の年平均780億円(このうち木材など林産物収入400億円)から、56〜60年度の同1440億円(同1340億円)まで右肩上がりで増加。元本返済は、民間分が16年度から15年間で、国庫分も26〜60年度で終了するはずだった。利子は一般会計から支払う。