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首相が最終判断 外務次官人事
政府が来年1月予定の外務省事務次官人事について先送り方針をいったん決めながら、27日に谷内正太郎事務次官の勇退を認め、後任に藪中三十二外務審議官(政務)を起用することで決着したのは、谷内氏が続投をあくまで固辞し、福田康夫首相が最終的に人事断行を決断した形だ。谷内氏の在任期間が1月に丸3年を迎えることから、人事滞留を避けるためというのが表向きの退任理由だが、「外交方針が異なる福田首相の下で働くことに、谷内氏自身が意欲を失っていた」(外務省筋)との観測もある。
外務省次官は主要国の大使人事とも連動するため、ふつうは発令の2カ月前〜1カ月半前には内定している。だが今回は、首相官邸側と外務省の思惑の違いもあり、調整は最後までもつれた。
官邸サイドは、今臨時国会が来月15日まで再延長され、18日召集予定の通常国会まで間がないことなどを懸念。「政局が不安定な中で、省庁人事にかまけている場合ではない」(与党国対筋)という事情もあり、谷内氏の定年再延長を前提に、1月人事の実施は国会対応上困難との判断を外務省側に伝えていた。
外務省内では当初、次期次官候補として小渕内閣で首相秘書官を務めた海老原紳駐インドネシア大使を推す声が強かった。だが、海老原氏は津島派と近く、小泉純一郎元首相の飯島勲首相秘書官から遠ざけられたほか、森、小泉、安倍、福田と4代続いた町村派内閣との関係は比較的薄い。
アジア大洋州局長を務め、拉致問題にも詳しい上、「自民党各派との関係は無色透明」(外務省筋)な藪中氏の次期次官起用は、安倍内閣下でも最有力視されていた。
一方で、来年3月で定年延長の期間が切れる谷内氏は退官の意向を固めており、「第2の人生の準備がしたい」として最終的に次官留任を固辞。谷内氏は小泉内閣の官房副長官補当時から安倍晋三前首相(当時は官房副長官)に近く、次官就任後も安倍氏の「主張する外交」路線を支えてきた経緯がある。安倍内閣で実施方針が決まっていた、東シナ海のガス田試掘の前提となる漁業補償交渉が現内閣で凍結されるなど、福田首相と安倍氏の外交路線の食い違いも影響したとみられる。