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【正論】日米同盟 「思いやり予算」という非礼 平和・安全保障研究所理事長 西原正 (2/3ページ)
第4に、在日米軍駐留経費を削減する日本側の動きである。これにも米国は不満であり、先の首相訪米の折にもゲーツ国防長官がこれに言及して、善処を求めた。米国からすれば、イラク、アフガニスタンなどで膨大な国防予算を使っているのに同盟国日本が駐留経費をいま100億円削減するのは無責任、無神経と映る。
第5に、今年1月に起きた事件で、海上自衛隊員がイージス艦に関する特別防衛秘密情報を無断で持ち出した機密漏洩(ろうえい)の影響である。日本側は日中防衛交流の一環として11月末に来日した中国海軍の艦艇乗組員にイージス艦を見学させようとしていたが、機密漏洩を懸念した米軍の抗議で中止になったという。これも米国の対日不信の表れで、同盟関係にとってきわめて深刻な問題である。
≪盆栽育てるような気配り≫
第6に、北朝鮮の核廃絶と拉致の問題で、日米間に相互不信が生じている。国務省は年末ないし年初に北朝鮮をテロ支援国家指定リストから外すだろうといううわさが絶えない。ブッシュ大統領は福田首相に「拉致問題は決して忘れることはない」とは述べているが、多くの日本人はブッシュ大統領を額面どおりには受け取れないでいる。
さらに日本人には、米国は北朝鮮の核を最終的には容認して国交正常化に向かうのではないか、「核付きの」朝鮮半島統一を許すのではないかという不安を抱くものが多い。
最後になるが、第7に、去る7月に米国議会下院が慰安婦問題で日本を非難する決議を採択したことは、下院議員が同盟国に対して無神経すぎないかという疑問を日本人に抱かせた。また残念ながら米国政府もこれを阻止する努力を怠った。日本側から見れば、「米国は同盟国に対してこんなことをするのか」という思いである。
日米同盟がこんなに後退している状況を、政府も民主党もどれだけ真剣に受け止めているのだろうか。

