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【正論】日米同盟 「思いやり予算」という非礼 平和・安全保障研究所理事長 西原正 (1/3ページ)
相互不信の火ダネは丹念に消せ
≪短すぎた福田首相の訪米≫
先月15日からの福田首相の訪米は、滞米時間がわずか26時間という短いものであった。親中派といわれている首相が外交デビューを米国で始めたのは適切であった。
しかし本来ならば、世界第2の経済力を持つ大国日本の最高指導者として、首相はブッシュ大統領との会談で、中東、南西アジア、ユーラシア西部などを巡る国際政治の動向、朝鮮半島の将来、対中国戦略のあり方などについての意見交換もすべきであった。1992年の日米グローバル・パートナーシップ宣言以来最も低調な日米首脳会談の一つであった。これは明らかに、日米同盟の後退である。
たしかに国会で新テロ特措法が成立しない状況下での訪米はタイミングが悪かった。したがってブッシュ大統領にとっては、「友軍が来てくれた」というものではなかった。このこと自体、現在の日米両国はそうした大きな問題にともに取り組む余裕もなく、いくつかの問題で相互に不信感を生み、同盟関係を後退させている状況を象徴していた。
≪財務省は予算削減で圧力≫
第1の問題はいうまでもなく、インド洋における海上自衛隊による給油活動の停止の影響である。これは、日本の国際政治における影響力の放棄を意味する。そして米国に、日本が頼りになる同盟国かどうかで疑念を抱かせている。
第2に、守屋前事務次官にかかわる汚職疑惑で、政府は自衛隊の装備調達のあり方を見直そうとしており、それが今後の自衛隊の調達を大幅に遅延させそうである。さらにすでに財務省は、この時とばかりに防衛予算の削減に必要以上の圧力を掛けているらしい。米国は、これらのことが日米防衛協力を弱めることを懸念し始めている。
第3に、さらに沖縄の米海兵隊の普天間基地移転に伴う辺野古沖の滑走路建設をめぐっての利権対立が本当に政官業癒着に絡むものであるならば、建設工事も遅れるであろうし、沖縄の海兵隊8000人のグアム基地移転も遅れるであろう。

