[PR]
ニュース:政治 RSS feed
【明解要解】戦前の通貨・証券類 なぜ税関で保管? (1/3ページ)
このニュースのトピックス:少子・高齢化社会
■インフレ懸念、GHQが指令
旧日本銀行券や満州中央銀行券、旧日本軍が物資調達などを目的に発行した疑似紙幣「軍用手票(軍票)」…。こうした通貨に加え、戦前の国債や郵便貯金簿といった証券類が全国の税関で大量に保管されている。輸出入の管理や銃器・薬物の水際での取り締まりなどを行う税関に、なぜこのような品々が保管されているのか。(社会部 高木克聡)
福王子喬子さん(72)=東京都渋谷区=は今年9月、東京税関で2冊の郵便貯金簿を手にした。
福王子さんの父、須田兵三郎さん(故人)が終戦翌年の昭和21年、京都・舞鶴に引き揚げる際、現地の日本人自治会か在外公館のいずれかに預けた郵便貯金簿だ。須田さんは戦中、南満州鉄道株式会社に勤務。福王子さんは中国・吉林で、父母らと終戦を迎えた。
福王子さんは新聞記事で、税関が引き揚げ者から預かった通貨や証券類を返還していることを知り、生前の母親が「預けた」と話していたことを思いだした。
東京税関に問い合わせたところ、須田さんの郵便貯金簿が横浜税関で保管されていることが判明。返還された郵便貯金簿に記載されていた貯金額は約820円だった。
61年ぶりに受け取った父親の郵便貯金簿と、住所などが父親の直筆で書かれた封筒。満州での懐かしい思い出や引き揚げ時のつらさ、日本に帰ったときの安堵(あんど)の気持ちが鮮明によみがえった。
「はっきり覚えていなかった父の生年月日が分かった。父の字も懐かしい」と福王子さんは話した。

