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【竹中平蔵 ポリシー・ウオッチ】経済悪化を直視せよ (1/3ページ)
■露骨な改革逆行
日本経済の悪化が明らかになってきた。11月13日に公表された今年7〜9月期のGDP一時速報値は、前期比2・6%(年率)となった。その前4〜6月期はマイナス1・2%であったため、そこからの明確な回復を期待したが、結果はプラスにはなったものの、その3分の2は外需によるものであり、かつデフレが一向に克服されていないことを確認する結果となった。経済に関しては、もっぱらアメリカのサブプライム問題が話題になる。しかし、今年に入ってから主要国が株価低迷を経験する中で、サブプライムの直接的な影響を比較的受けていないはずの日本が、最も大幅な株価下落を経験しているのである。政府は、この点を直視する必要がある。政治の世界が混乱し、政局一辺倒になっている間に、国内的な要因で経済の悪化が見え始めた。
要因は2つある。第1は、経済面での構造改革が明らかに停滞し始めたことを市場が見切り、期待成長率が低迷していることだ。第2は、誤った金融政策の影響が顕在化してきたことである。
改革停滞と期待成長率低迷から見ていこう。不良債権の減少が明確になった平成16年度以降、日本経済には2%程度の通常の成長が戻ってきた。その結果、目下企業は史上最高の収益を計上し、いざなぎ景気を超えて景気拡大が続いている。しかし、2年前に郵政民営化や政策金融機関の統合を決定して以降、大幅な制度改革はほとんど行われていない。
むしろ、道路財源を一般財源化せずに道路だけに使い切るという国土交通省案や、交付税増額を求める知事会案に見られるように、露骨な改革逆行姿勢が目立つ。その一方で、財務省ベースの増税論議が先行している。つまり、多くの人々が国にカネを求め、国は国民にカネを求めているのだ。これでは経済は活性化しない。
いまや海外の投資家は、日本への関心を明らかに失いつつある。海外ファンドの撤退も始まった。これまで、小泉改革の“余熱”で何とか維持されてきた日本経済は、明らかに変調し始めた。