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【やばいぞ日本】第3部 心棒を欠いている(3) (1/3ページ)

2007.9.29 06:41
このニュースのトピックスやばいぞ日本

束縛だらけの“抑止”行動

 おかしなことをすれば、痛い目に遭うと相手に思わせる抑止力が防衛の大原則だ。それが日本では大きく揺らいでいる。

 経済産業省は一昨年夏、防衛産業各社から新たな装備品に関するヒアリングを行った。ある関係者は「東シナ海などの浅い海域で使用できる魚雷を開発したい」と述べたところ、担当官は突然、「大国になりつつある中国を脅威とみているのか」と激高した。「万一に備える防波堤は必要でしょう」と反論し、結局は来年度から研究開発することが決まったが、その関係者は、国を守る意識のない人が防衛力整備を担当していることに愕然(がくぜん)としたという。

 国全体に弛緩(しかん)がみえるが、日本が抑止行動をとって外国による領空侵犯を未然に防止したことがある。

 1996年10月7日、台湾、香港などの活動家は漁船で、日本固有の領土である尖閣諸島海域に侵入し、うち4人が魚釣島に中国と台湾の国旗を立てた。少し前には香港の活動家が近くで水死した。これらに刺激された台湾空軍の元将校らは、2機のヘリコプターで尖閣に侵入して上陸する計画をぶちあげた。

 那覇市に司令部がある航空自衛隊南西航空混成団の佐藤守司令(空将)はこれを知るや、領空侵犯を阻止するため、警戒行動を取ることにした。

 F4ファントム戦闘機で常時、尖閣周辺空域をパトロールさせるには早期警戒管制機E2Cが不可欠だ。E2C5機は非常呼集され、青森県三沢基地から飛来した。19日、F4とE2C延べ29機が飛び立った。

 佐藤司令は中国もにらんでいた。上空6000メートルで待機するE2Cを中国空軍がレーダーでとらえることを確信していた。日本の空の守りが鉄壁と示すチャンスでもあった。

 警戒行動は10日間にわたり、台北管制部が那覇管制部に対し「F4は何をしているのか」と問い詰める一幕もあった。台湾行政院はヘリによる尖閣上空飛行を許可しないと発表した。

 だが、佐藤司令に高揚感はなかった。ヘリが実際に侵入した場合、阻止できたかとなると内情は危うかったからだ。上部機関の航空総隊の指示は「武器は一切使うな」「ヘリに近づきすぎるな」だった。

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