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【主張】静岡県知事選 浮足立たず敗因分析せよ
東京都議会議員選挙(12日投開票)と並んで次期衆院選の前哨戦と位置付けられていた静岡県知事選で、民主党などが推した候補が自民、公明の推薦候補らを破って初当選した。
自民党はこのところ与野党対決となった名古屋、さいたま、千葉の大型市長選で連敗しており、政権交代を目指す民主党の勢いを止められなかった。さらに都議選で敗れた場合、麻生太郎首相の退陣を求める動きが一気に加速するのは避けられないだろう。
しかし、敗因をしっかりと分析せずに浮足立つのは、政権政党の責任を放棄するに等しい。首相の指導力不足だけではない。自民党がもっとも訴えたいのは何か。有権者にその旗が見えない点を認識することが急務である。
当選した川勝平太氏と前自民党参院議員の坂本由紀子氏は、激しく競り合った。安倍内閣の教育再生会議のメンバーなども務めた川勝氏が、無党派層に加えて自民党支持層にも浸透した。
民主党は同党元参院議員の海野徹氏との候補者一本化に失敗し、分裂選挙となった。不利な状況でも勝利したことは、民主党に弾みをつけることになろう。
投票率は前回よりも高く、期日前投票も多かった。こうした傾向が民主党推薦候補側に有利に働いたとすれば、自民党は無党派層対策などの再検討を迫られよう。
都議選応援で、首相は「政権交代して景気がよくなるのか」と民主党の政権担当能力への疑問をぶつけているが、それだけでは十分でない。
民主党政権にはできない、こういう国づくりをするという具体論を示さなければ、国民の不信感は消えず、政権交代への漠然とした期待はしぼまない。
中川秀直元幹事長が都議選敗北時には自ら総裁選前倒し論を主張する考えを示すなど、自民党内には麻生首相の退陣を想定した発言が出ている。だが、何をもって総裁を代えるのか、論点を明確にしなければ、有権者不在の権力闘争に映るのではないか。
民主党は勝利したとはいえ、鳩山由紀夫代表の政治資金収支報告書への虚偽記載をめぐる疑惑は消えていない。共産、社民両党も国会への参考人招致などを求めている。民主党が「与党が選挙対策で鳩山氏を攻撃している」として問題をすり替え、疑惑追及をかわそうとするのは見当違いだ。