ニュース: 政治 RSS feed
「日本一厳しい条例」効果は? 風俗案内所、大阪府警が調査
大阪府が全国で初めて、性風俗店を紹介する「風俗案内所」の営業を規制する条例を施行した1日、府警保安課と南署は、大阪ミナミの歓楽街・宗右衛門町で、案内所の立ち入り調査を行った。キャバクラなど一般風俗店の案内所も規制され、出店に土地所有者らの同意書も必要になるなど「日本一厳しい条例」(府警)ともいわれているが「案内所が別の形態に変わるだけではないか」という懸念もあるという。
■さっそく指導
施行されたのは「府特殊風俗あっせん事業の規制に関する条例」。未明の営業を禁じた従来の条例を改正し、府内全域で性風俗店案内所を営業禁止にしたほか、一般風俗店の案内所も学校や病院から100メートル以内の出店を禁止した。
この日は午後7時半ごろから、緑色の腕章を巻いた捜査員らが、宗右衛門町で営業する案内所に立ち入り、業務員名簿の提出を求めるなど業務実態を調査。違反の恐れがある店に対して指導や警告を行い、誓約書を書かせるなどした。
府警によると、府内の風俗案内所は昨年11月末で212カ所だったが、今年3月末には178店に減少。条例施行前日には8件が「駆け込み廃業」したといい、同課は「性風俗のあっせんができなくなる業者が、業績不振を見越して閉店している」とみている。
■実効性は?
新条例では、性風俗店ではないキャバクラなどの一般風俗店の案内所を出店する際にも、土地と建物の所有者から同意書を受け取ることも義務化された。
案内所の多くはビル1階にあるが、宗右衛門町のテナント料はビル1階部分の坪単価で4万円前後と高額。建物所有者からみると高収益が見込める案内所は優良顧客でもあった。
だが、土地所有者は案内所側とは直接の取引関係にないことも多く、その場合は同意書の交付をためらう可能性が高いとみられるという。府警幹部は「新条例は実効性があり、少なくとも現在の7割程度の案内所は姿を消すことになる」と自信をみせる。
ただ「結局は警察と業者のイタチごっこになるのではないか」と冷ややかな見方もある。宗右衛門町にある風俗無料案内所のある従業員(38)は「確かに斡旋業務は禁止されたが、何とか抜け道を考えるつもり」と打ち明ける。
■地元は期待
一方、多くの案内所が実際に撤退すると、高額なテナント料がネックになり、空き店舗が増えると心配する人もいるというが、宗右衛門町商店街振興組合の岡本敏嗣理事長(53)は「短期的には空き店舗が増えるかもしれないが、長期的にみれば、府警が取り締まりを強化する意義は大きい」と強調する。
周囲では今夏から電柱の地中化や路面の石畳の復活に向けた整備事業が始まるといい、岡本理事長は「時間がかかっても街にふさわしいテナントを誘致し、昔の情緒を取り戻したい。新条例の施行はそのカギを握っている」と話している。


