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【Re:社会部】「日蔭の村」再び…

2008.5.6 00:20
このニュースのトピックス国会

 首都圏の水瓶(みずがめ)として建設準備が進む群馬県の八ツ場(やんば)ダムは、計画発表から半世紀が過ぎましたが、まだダム本体の着工に至っていません。総工費は全国のダムでも最高額となる4600億円。昨年末には国が、完成時期を5年先送りして平成27年度とする方針を公表しました。

 もっともこの数字を額面通りに受け取らない人も多く、東京都の担当部局からも「期間や工費が枠の中に納まらないのは公共工事の常ですから」と疑問視する声が漏れているほどです。

 第1回の芥川賞を受賞した作家の石川達三は、東京の水がめとして計画された小河内ダムに沈む旧小河内村(現奥多摩町)を題材にした小説『日蔭の村』で、ダム工事の着工が遅れたことで村民の生活が宙に浮いてしまった悲劇を余すところなく描いています。

 八ツ場ダムで沈む地区を7年ほど前に回ったことがありますが、地元の人は「じきに沈む場所だから新しい建物が建てられない」などと不自由さを訴えており『日蔭の村』の再現を見る思いでした。その状況は今も続いています。

 民主党は前回衆院選のマニフェストで「ムダづかいの象徴」として、八ツ場ダム建設中止を掲げています。23年ころとされる本体着工の実現まで、ダムが完成するかはなお不透明とか。造るにしても止めるにしても、早く確定してほしいと願っています。(健)

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