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【主張】橋下府知事行革 波風恐れず再建の道示せ
橋下徹大阪府知事直轄の改革プロジェクトチーム(PT)による財政再建プログラム試案が激論を巻き起こしている。
試案は平成22年度までの3年間で最大3200億円規模の支出を削減、今年度は1100億円の収支改善を図る内容だ。公共事業から医療、福祉、教育、警察など生活に密着した行政サービス、市町村への補助金まで容赦なく切り込んでいる。
このため、市町村の首長は猛反発し、公共施設の統廃合には文化人や関係団体の抗議が続出した。福祉など安全網といえる分野の削減に批判が集まり、4日間に及んだPTと各部局の討論は激しいやりとりになった。
厳しい中身を考えれば、こうした事態は十分に予想された。むしろ、波風が立ち、本気で議論が行われていることを歓迎したい。
府の債務残高は約5兆円で、10年度から9年連続の赤字決算だ。財政再建が急務にもかかわらず、財政状況は一向に改善しない。
府に限らず、財政再建を掲げた自治体の多くで成果が挙がらなかったのは、行政が過去のしがらみを断てず、議論が透明性を欠き、「総論賛成、各論反対」の波にのみ込まれた結果だ。
今回、何をどの程度削減するかが具体的に示されたため、削られる側は懸命に事業の意義を訴えている。削る側も、批判にさらされている以上、なぜ削減するかの説明に追われている。
府民も同様だ。巨額の借金を放置すれば、ツケは自分や自分の子供らが払わねばならない。その事実を踏まえ、どこまで痛みを許容するのか。議論の中から、真に必要なサービスとそうでないものを見極める絶好の機会といえる。
真剣な議論には波及効果も期待できる。PT案とは別に、府議の間から議員報酬削減に向けた動きが出始めているという。過去の改革の壁になっていた労働組合への圧力にもなろう。
試案はたたき台としての役割を果たしたが、6月にはまとまる最終案が「骨抜き」になることは許されない。一部事業の復活や削減幅の縮小があった場合は、知事の丁寧な説明が求められる。
大阪府の行革は他の自治体も参考にしたい。不適切な発言の撤回や、勇み足も多い橋下知事が府民から支持されているのは、ここまでの改革姿勢への評価である。この期待を裏切ってはならない。