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【分権の壁 第1部 歪みの構造】(中)合併拒否は生き残れるか 募る危機感 打開策見えず (2/3ページ)
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「いちばん参拝客が多い紅葉が見ごろの10、11月でも1日1000人にも満たなかった。だが、スロープカーができてからは2000〜3000人ぐらいが参拝するようになった」(高千穂宮司)。神宮の参拝者数だけではなく、町全体の観光客数も17年度に111万人、18年度には140万人と増加させた。
合併を回避した添田町の決断は観光客の増加で成功したかにみえた。だが、都市部への住民流出といった人口の自然減に悩む。
町の中心部にあるJR添田駅周辺は、英彦山神宮のにぎわいに比べ人影もまばらだ。町内で建築業を経営する武貞誉裕さん(31)は3人の幼い子持ちだが、「子どもらが成長しても町に仕事があるかどうかは分からない」と語り、いずれ3人が町外へ出ていくことを覚悟している、という。
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添田町の財政事情は厳しい。20年度は一般会計予算69億円のうち自主財源は13億円。31億円を地方交付税に頼っている。
人口流出に加え、町の衰退に輪をかけているのが、豪華なハコモノだ。温泉健康増進施設、体育館、戦国時代の城の形をした保健センター…。添田町は合併を拒否したが、合併第1号となった兵庫県篠山市と同じ轍を踏んでいるのだから何とも皮肉だ。台所は火の車なのに、なぜこうした豪華な施設ができるのか。
「すべて町長の力なんですよ」。添田町をよく知る地元関係者はこうささやいた。山本文男町長(82)は現在10期目。
山本氏は自民党の田中六助元幹事長の後援会長を務め、かつて“参院のドン”といわれた村上正邦元自民党参院議員会長とも関係が深いといわれる。長年、全国町村会(※(5))の会長を務め、「“中央との太いパイプ”で国の補助金を引き出し、町に豪華な施設を建ててきた」(関係者)といわれる。