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【分権の壁 第1部 歪みの構造】(中)合併拒否は生き残れるか 募る危機感 打開策見えず (1/3ページ)
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福岡、大分両県をまたぐ英彦山(ひこさん)(標高1199メートル)は日本3大修験場(しゆげんじよう)の一つとして知られる。多くの参拝者を集める中腹の英彦山神宮奉幣殿(ほうへいでん)(福岡県添田町(そえだまち))まで805段の石段が伸びる。参道の周囲には民家が点在するが、高千穂秀敏宮司は「高齢者が多く地域の行事もままならない。『限界集落(※(1))』みたいなものだ」と話す。
添田町はかつて、炭鉱の地として栄えた昭和35年ごろをピークに人口減少が進み、現在は最盛期の半数の1万1970人(3月末時点)と小さな町だ。人口の約3分の1を65歳以上の高齢者が占め、限界集落の町に近づきつつある。
「平成の大合併」では添田町にも周辺自治体との合併話が持ち上がった。平成15年9月には、周辺7市町村との合併協議会が設立された。だが、合併後の職員の採用数や財政力に応じた組織のあり方などをめぐって話し合いはこじれにこじれた。結局、合併しない方が住民の意向を行政に反映させやすいと判断し、単独での生き残りを選んだ。
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添田町は英彦山を中心とした観光業による地域振興を進めている。それだけに神宮参拝者の減少は、町の死活問題に直結する。
しかし、平成16年度、同町の観光客数は100万人を割り込んだ。これに歯止めをかけようと計画したのが、駐車場から奉幣殿を結ぶ全長約870メートルのスロープカー建設計画だ。階段の昇降がつらい中高年向けに考えついた切り札だった。
総額は計約9億4000万円。一般会計予算が例年約60億円程度の添田町が捻出(ねんしゆつ)できる額ではない。このため、過疎債(※(2))などで財源を確保し、平成17年10月に運行を開始した。