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【断 佐々木譲】夕張市の病根を突くレポート
このニュースのトピックス:地方自治
今回もまた夕張について書かせてもらう。
夕張市の財政破綻(はたん)のニュースを読んで、誰もが疑問に思うのは「なぜ、ここまでひどいことになったのか」ということだろう。
ろくな産業もなくなった人口数万の自治体が、どうやって630億円を超える借金を作っていたのか? どうしてそんなことが可能だったのか? 市長がどれほどワンマンだろうと、市議会や職員組合が機能していたら、こんなことにはなるはずもないと。
この疑問に答えてくれる優れたレポートが出た。
「限界自治 夕張検証 女性記者が追った600日」(梧桐書院、読売新聞北海道支社夕張支局編著)。
読売新聞の酒井麻里子記者が、事実上の本書の著者。財政破綻発覚以前の市政から、再建団体入り後の市民の生活までを、厳しい筆致でレポートしている。中田鉄治元市長の専制ぶり、後藤健二前市長の無能ぶりに加え、市議会や職員組合と市長との癒着ぶりの指摘も容赦ない。要するに夕張市は、上は腐り、下もへたれのでたらめな自治体だったのだ。そんな自治体には、いかがわしい人物たちも群がって、いいカモにした。
読売新聞の夕張記事自体は、いつもここまで厳しい論調ではなかったという印象がある。レポートをまとめるにあたって、酒井記者はたぶん夕張市民や関係者への遠慮を捨てたのだろう。夕張ものノンフィクションの中ではもっとも読みごたえのある好著だ。(作家)