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【明日へのセーフティーネット】現場はいま(2)北九州方式(上) (3/3ページ)
遺体が見つかる1カ月ほど前に、やせこけ、土色の顔をした男性をみかけた近所の住民(58)も「保護をもらったときは、喜んでいたから、飯だけは食いよると思とった。まさかいつの間にか保護を切られていたとは。これじゃ市のやり方は、人殺しとかわらんじゃないか」と憤る。
北九州市は、平成17年に八幡東区、18年に門司区と、生活保護行政の周辺で相次いだ孤独死について19年5月に設置した第三者委員会で検証作業を続けている最中だった。小倉北区の孤独死は4回目の会合が開かれた7月10日に判明したが、市はその日の委員会には一切報告していなかった。現在も明確には非を認めていない。
石炭産業の斜陽化などで昭和42年には、全国政令市最高の1000人中69・1人が生活保護を受けるという生活保護率は、その後、2度にわたる厚生労働省直轄の「適正化」を経て、平成13年に市発足以来最低の12・35パーミル(1000分率)にまで減少した。高齢化の進展や貧困層の広がりで、全国的に生活保護受給者の増加が続くなか、北九州市は政令市のなかで唯一、受給者数が横ばい、減少している。稼働年齢層や母子世帯の保護率の低さなども際だつ。周辺自治体の保護率が高率であることを考えても、北九州市が全国でも生活保護を受けにくい自治体であることはデータが裏付けている。
長年、生活保護行政に携わってきた市幹部にとって、この数字こそ長年にわたる市の取り組みの成果だ。市幹部は「北九州が厳しいのではなく、他の自治体が甘すぎるだけ。安易に生活保護の受給を認めることが、いいことなのでしょうか」と今でも言い切る。
果たして、「北九州方式」は、行政の最低限の責任さえ放棄した生活保護抑制第一主義の「ヤミの方式」なのか。それとも、他の自治体が模範とすべき「モデルケース」なのか。相反する2つの側面を考えるには、もう少し丁寧にその背景を探る必要がありそうだ。
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