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【明日へのセーフティーネット】現場はいま(2)北九州方式(上) (1/3ページ)

2008.4.5 08:54
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責任放棄か模範モデルか

 北九州市小倉北区、小倉競輪の巨大な施設のすぐ近くに男性の家はあった。木造平屋建ての長屋は屋根の半分近くが崩れ落ち、壁には台風の時に拾ってきたというトタンが打ち付けられている。玄関扉の窓ガラスも一部がない。奥をのぞくと、ぼろぼろの畳や家具、さび付いた冷蔵庫などが乱雑に散らばっていた。男性=当時(52)=の遺体が見つかってから、1カ月近くがたっても、家の奥からはかすかな腐臭が漂っていた。荒れ果てた家の状態は、男性がここで暮らしていたころから、ほとんど変わっていないという。

 「余程食うもんがなかったんやね。日記に『おにぎり食いたい』と書いてあった。通帳の残高も46円しかなかった…」。孤独死の現場検証にあたった福岡県警の鑑識係員が雨宿りのために借りた近所の民家の軒先で思わずそう漏らした。その内容が、男性の友人を通じて新聞社に伝えられ、「孤独死」は生活保護行政のあり方を問う「事件」になった。

 男性は、平成18年2月から9月ごろまでは、タクシー会社でドライバーとして勤務していた。しかし、10月には出勤しなくなり自分から辞めた。車の駐車や、子供の声をめぐってもめごとを繰り返し、近所からは長年にわたって孤立した存在だった。ほとんど唯一、交流があった中学時代からの友人も、いさかいがあって8カ月、顔を見せていなかった。

 男性は、アルコール性肝障害や糖尿病などで働けないとして、18年12月から生活保護を受けていたが、ガスや水道、電気が再開された形跡はない。19年2月には、市は、診断をもとに「普通就労可能」と判断、男性が「自立して頑張る」といって出してきたという辞退届を受けて4月10日には、生活保護を打ち切り、その後の経過確認はなかった。

 「ハラ減った。オニギリ食いたーい。25日米食っていない」。6月5日、男性が書き残していた最後の日記には、こう書かれていた。

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