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【主張】新銀行東京 責任の所在を明確にせよ
多額の累積損失を抱える新銀行東京の経営問題をめぐって都議会で論戦が交わされている。焦点は、都側が経営再建に必要だと主張する400億円の追加出資を認めるかどうかである。
経営悪化について、都はずさんな融資を続けていた元代表執行役ら旧経営陣に重大な責任があるとして今後、民事、刑事双方で責任を問う方針を示している。
だが、経営全般を把握すべき取締役会や筆頭株主であり経営を監視する立場の都や石原慎太郎知事にも責任がないとはいえまい。都議会には銀行経営に失敗した責任の所在を明確にする上で徹底した議論を求めたい。
新銀行の説明によれば、旧経営陣は開業の平成17年4〜12月までの間、融資実行から半年以内に融資が焦げ付かなければ、融資を開拓した社員に対して最大で年200万円の報奨金を支給していたという。
中小零細企業の支援のために、無担保無保証を経営方針に掲げたとはいえ、放漫な経営の実態はあきれるばかりである。都が指摘するように、融資の焦げ付きが利息収入を上回る深刻な経営状況にあることを知りながら、旧経営陣が取締役会に隠し続けていたとすれば背信行為だろう。
そうした経営の結果が、融資先全体の17%にあたる2300社が回収不能に陥り、今年3月期末の累積損失が1016億円と資本の85%が棄損する見通しにつながった。都はこうした経緯を説明した上で、追加出資を求める予算案を議会に提出した。石原知事は「もし追加出資が認められず、自主廃業すると1000億円を超える費用がかかる」と主張しているが、追加出資の積算根拠もあいまいだ。
社員と融資を現在の4分の1に圧縮する一方、業務粗利益を4年で倍にする再建計画に無理はないのだろうか。すでに出資した1000億円は融資焦げ付きの穴埋めに消えてしまった。新たな出資で経営の立て直しが可能との都側の主張はまったく説得力を欠く。いま清算した方が最終的な損失は小さいのではあるまいか。
都は金融庁の検査を受けて資産査定を厳密に行い、存続可能性を厳しく判断すべきだ。メンツにこだわらない真摯(しんし)な決断が重要だ。