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【断 潮匡人】前略、宮崎県知事殿
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3月1日から宮崎県と鹿児島県でたばこ自販機での成人識別が開始された。今後、対象地域が拡大。7月から全国のたばこ自販機で成人識別カード「taspo(タスポ)」が必要になる。以上が周知されていないのはJT(日本たばこ産業)子会社のギョーザ騒動による。
タスポ運営団体が「未成年者の喫煙防止に高い効果がある」とする根拠は「カード中央の『氏名』『会員番号』『顔写真』」。それで「利用者を明確化」「本人への帰属性を高め、譲渡・貸与を防ぎ成人識別の厳格性を高める」という。
だが、自販機は顔写真を判別できない。カードは識別するが、実際の使用者を区別できない。ゆえに「譲渡・貸与を防ぎ」ようがない。にもかかわらず、運転免許証のコピー等に加え、顔写真を提出しなければカードがもらえない。個人情報の塊を預けさせられる。この愚挙を人権派も黙殺。ひとりジャーナリストの花岡信昭氏がメルマガで警鐘を鳴らしている。
たばこ事業の所管は厚労省ではなく財務省。理財局長通達により7月以降、タスポ非対応の業者は営業停止等の処分を受ける。要するに改修費はたばこ事業者や販売店側の負担。恐るべき官僚支配ではないか。
なにも銃砲刀剣の類ではない。健康への害はあろうが、話題の劇毒物でもない。たかがたばこである。「成人識別の厳格性を高める」というが、酒類はどうするのか。今後も自販機での缶ビール購入にカードは要らない。
先月、予算案が衆議院を通過。道路特定財源は死守された。いっそ、たばこ税も特定財源にしてはどうか。宮崎県知事も当欄の筆者を務めた。ぜひ道路関係者同様、喫煙者とタバコ業者の声にも耳を傾けていただきたい。(評論家)