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堺屋太一氏の一問一答 「大阪を世界都市に作り直すのが橋下知事の仕事だ」
堺屋太一氏とのインタビューの一問一答は次の通り。
−−橋下徹知事への提言は
「大阪は本来、地方都市ではなく世界都市だ。まず、これを作り直すのが橋下さんの仕事だ」
−−なぜ地方都市になったのか
「戦後の自治体は地域振興ではなく地域サービスに特化させられている。特に大阪は、昭和45年の万博で世界都市化を目指したのに、その後の黒田了一府政は反動で地方都市を目指した。これが最大の問題。大阪は庶民と中小企業が肩寄せ合って生きていけばいいと。そんなムードの中で育った人材が幹部には多い。夢を持って行政手腕を振るうことも、全国に情報を発信することも口先だけになってしまった」
−−どう改善すれば
「大阪を愛し、地方自治をやりたいという人を100人集めて、知事直属の組織をつくる」
−−それは外部の人間も含めてか
「もちろん。例えば東京都庁なら地方自治をやりたくて全国からたくさんの職員が集まる。府庁は『転勤がないから』とか『定年まで安心だから』という職員が多いような気がする。ただ、改革を進めると内部からも周囲からも反発があるのは当然で、それを乗り越えるには財界や知識人らで作る応援団も必要だ」
−−他には
「3番目としては危機感と憤りを持ち続け、その思いを府民や職員に移していくこと。衰退していくときには負け癖がついている。大阪が二流府県になったことを悔しいと思わねばならない。そして最後に大阪に名物、名所をつくること。20年前、大阪は食のおいしい街、日本料理といえば大阪の関西割烹(かっぽう)だったが、今ではたこ焼きしかない。大阪に来る人たちの楽しみがない」
−−今の大阪でもやれることは
「歩行者天国や大規模マラソンなど、東京にあって大阪にないものは多い。東京の歩行者天国には関西から年間延べ600万人が訪れる。1人3万円ずつ使ったとして1800億円が流出している。大阪の府税でいうと60億円ぐらいが逃げている」
−−府民も危機感がないように感じるが
「残念というか不思議だが、下り坂の時はそうだ。日本も敗戦の時、沖縄に米軍が上陸するまでは、日本が負けているという危機感がなかった」
−−今の大阪を例えるのなら、いつの時代に似ていますか
「やはり終戦前夜だろう。軍人たちは自分たちのことだけをいい、倫理観が倒錯していた。府や市の職員にはそうなってほしくない。橋下知事を(終戦時の首相だった)鈴木貫太郎内閣のようにはしたくない」
−−現在の橋下知事は借金返済だけにエネルギーがいっているようにみえるが
「財政再建団体に落ちないかという危機感があるからだ。夕張市のようになるということを府職員が認識しておらず、橋下さんがあわてるのもよくわかる。従来使っていたものを10%削り、将来の夢のために1%だけ新規予算を付けてほしい」
−−堺屋さんは橋下知事のブレーンでは?といわれているが
「ブレーンではない。橋下さんが知事として適任だと思っているが、あまり口出しをしたくない。知事選が終わってからやりとりは全くない」
−−橋下知事が注意すべきことは
「府庁の中もそうだが、大阪の国の出先機関に天下ってくるのは二流官僚だ。それゆえ大阪の声が中央に届かない。人材をどうやって確保するかが問題であり、知事自らが指名で探すべきだ」
−−今後は議会との軋轢(あつれき)も予想されるが
「それは、どこの自治体にもある。やはり問題は職員だ。彼らを使うのは本当に難しい。だから府知事になる人がいなかった。大阪の知事ポストを魅力あるものに変えてもらうのも橋下さんの大きな仕事だ」