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【主張】岩国市長選 現実的な判断が下された

2008.2.11 02:29
このニュースのトピックス地方自治

 在日米軍再編に伴う米海兵隊岩国基地への空母艦載機移転問題を争点とする山口県岩国市の出直し選挙が投開票され、受け入れを容認する前自民党衆院議員の福田良彦氏が当選した。

 在日米軍再編は日米同盟の維持に不可欠なものだ。岩国市民がようやく現実的な判断を下したといえる。

 艦載機移転問題で市民の意向を聞くのは3回目である。そもそもこの移転は一昨年5月、日米両政府が合意した米軍再編に関する最終報告書に盛り込まれた。住宅密集地での騒音が問題化していた米軍厚木基地の空母艦載機59機の拠点を岩国基地に移す計画だ。岩国基地では滑走路の沖合移設が平成20年度に完了することから、防衛省は艦載機移転に伴う騒音は現状より軽減されると説明していた。

 だが、今回敗れた井原勝介前市長はこの移転に反対し、一昨年3月、自らの発議で住民投票を実施、反対が投票者の87%を占めた。翌月の市長選も計画撤回を訴えた井原氏が圧勝した。

 これに対し、国は移転反対を理由に新市庁舎の補助金35億円の支給を見送った。市側は財源に合併特例債を充てた予算案を提出したが、今度は受け入れ派が多数の市議会が4回否決し、井原市長は辞職して選挙となった。

 日米安保体制を円滑かつ実効的に運用するには基地を抱える地元の理解は欠かせない。政府は関連自治体に対する政策的配慮に加え、これまで以上に丁寧な説明責任を果たすべきだ。

 見据えてほしいのは、日本が置かれた安全保障環境である。

 日本は、北朝鮮の核開発や弾道ミサイルの脅威に直接さらされている。北の核廃棄を目指す6カ国協議では昨年10月、「核計画の完全申告」と「核施設の無能力化」の年内実施を共同文書に盛り込んだが、北朝鮮はいまだに履行していない。中国の軍事力強化も着々だ。9日にはロシア空軍の爆撃機が伊豆諸島南部を領空侵犯した。

 冷戦構造が厳然と残る北東アジアで、日本の平和と安全を確保するには日米安保体制を強化しなくてはならない。国の守りについては自衛隊や米軍だけの問題ではない。国民一人一人が国防の大切さを考え、負担を分かち合うことがなによりも必要だ。岩国市長選をそうした契機にしたい。

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