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【風を読む】論説副委員長 五十嵐徹
このニュースのトピックス:地方自治
地方格差是正のため、中央省庁が連携して取り組むという政府の新たな「地域再生戦略」が、平成20年度予算案に盛り込まれた。だが、その内容には失望を禁じえない。
戦略の最大の柱とされる「地方の元気再生事業」の創設にしても、中央主導型政策の域を出ていない。新味にもパンチにも欠けるというのが率直な印象だ。
新事業は、地域の自由な取り組みを尊重し、地場産業の振興など都道府県ごとに複数の自主的プロジェクトを選ぶ。その上で国が3年間で100億円を投入、立ち上がり段階から支援する。来年度は25億円が計上された。
各省庁にまたがる複雑な折衝も一元化する。官邸に全国8ブロック別の担当参事官を置き、自ら地方に出向いて直接相談に応じる。各省庁の橋渡し役として再生事業を円滑に実施するための調整に当たるのだという。
一見すると、あくまで地域の自主性を尊重し、国は脇役に徹する姿勢にも見える。だが、プロジェクトの是非を最終判断するのは、やはり国である。
地方は、中央の顔色をうかがいながら事業を組み立て、中央は自らのお眼鏡にかなった事業だけに補助金というご褒美を出す。この構図が続く限り、地方の自主性など育つわけがない。本格的な地方分権化が叫ばれるゆえんだ。
その分権改革も正念場の年を迎えた。政府は地方分権改革推進委員会の勧告に基づき、この秋にも「地方分権改革推進計画」を策定し、関係法令を「新分権一括法」の形に整備して国会に提出するよう迫られている。
例によって、「霞が関」は中央の既得権益維持に躍起だ。地方も従来のぬるま湯的自治への甘えが消えていない。ここでも問われているのは政治の指導力だ。
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