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【主張】太田氏出馬断念 知事選挙への教訓とせよ
大阪府の太田房江知事が来年1月の府知事選の立候補を断念した。3選確実とみられていたが、「政治とカネ」の問題でつまずいた。
通産官僚出身の太田氏は平成12年、セクハラ問題で辞任した横山ノック知事の後任を選ぶ知事選で、自民、民主、公明などの推薦を受けて初当選した。全国初の女性知事だった。
2期8年の任期中には中央や地元財界との太いパイプを生かし、大規模工場の誘致や関西国際空港第2滑走路のオープンにこぎつけた。議会には「政策的には及第点」とする声が強い。しかし、大阪の活性化のため、十分な首長力を発揮し得たかどうか。
太田氏は、3選には当初から意欲的な姿勢を見せ、自民、民主、公明も推薦の意向を示していた。だが11月になって突然、「カネ」をめぐる問題が相次いで発覚した。
東京にある太田氏の政治団体が事務所を母や甥(おい)の2カ所のマンションに置き、月額5万円の賃料を支払っていた。中小企業の経営者らとの会合に定期的に出席し、1回あたり50万〜100万円の講演謝礼を受け取っていたことも分かった。謝礼の総額は883万円にのぼった。
太田氏は問題を軽く見ていたのではないか。発覚直後には「正当な業務で、問題はない」とつっぱね、謝罪の言葉はまったくなかった。府民だけでなく、支援団体からも批判の声が噴出したのは当然である。
追い打ちをかけたのが、11月の大阪市長選だった。民主推薦の新人が当選し、自民、公明が推薦した現職が落選した際、太田氏はいち早く民主候補の事務所にかけつけ、万歳を繰り返した。自民、公明両党は激怒し、“太田離れ”を加速させた。
講演謝礼は税申告し、事務所費についても公金は使っていないという。太田氏が主張したように、法的には問題がないのかもしれない。
だが、「政治とカネ」をめぐっては中央政界でも不透明な事務所費処理の発覚が相次ぎ、国民の目は一段と厳しくなっている。太田氏に甘さがあったと言わざるを得まい。
太田氏のつまずきは、次期知事選に向け、候補者、選挙民の双方にとって教訓とすべきことだろう。