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【明解要解】新幹線・栗東新駅中止の“後始末” (1/2ページ)
■実損の地権者、怒り収まらず
滋賀県栗東市で着工された東海道新幹線新駅建設の中止が今年10月、決まった。昨年7月の知事選で新駅建設の凍結を掲げて当選した嘉田由紀子知事が公約を実現した形だ。しかし、当初は県など行政側が音頭をとって着手した経緯から、総事業費240億円を超える大型事業中止の“後始末”には、大きな困難が立ちはだかっている。(大津支局 川西健士郎)
新駅は京都−米原間の栗東市に平成24年度の完成を目指して昨年5月末に着工した。計画では、周辺の農地など50ヘクタールのうち、5ヘクタールは公共スペースとして栗東土地開発公社に買収され、残り45ヘクタールも「駅前」としての土地区画整理事業が計画され、市は地権者らと用地関係の手続きを終えていた。
ところが、着工から約1カ月後の知事選で、嘉田知事が新駅推進の現職を破ったことから中止への道のりが始まった。
嘉田知事は「凍結」の民意は得たものの、「県による強権発動の形は避けたい」と、栗東市など地元自治体の合意による凍結を目指した。その方法として、事業推進のための地元組織「新幹線新駅設置促進協議会」の中に知事と周辺6市長だけで議論する正副会長会議を昨年9月、設置した。
しかし、議論を続けても6市長全員が、推進の立場を崩さない。急先鋒(せんぽう)の国松正一・栗東市長は「新駅凍結を主張するのなら、新駅にかわる土地区画整理事業の代替案を出すべきだ」と県の責任を追及。「土地区画整理事業の主体は県ではなく市」と反論する嘉田知事とは、議論がかみ合わなかった。
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このためJR東海は今年2月、「決着」の期限を設定するように要求。「10月末までに、すでに地元と結んでいる協定に従って建設を推進するという合意に、知事と6市長らが至らない場合は、新駅建設を中止する」との覚書を県、栗東市、促進協との間で交わした。結局、推進、凍結いずれの合意も得られないまま、10月末に「時間切れ中止」が確定した。すっきりとは言い難いが、嘉田知事は公約を果たし、新駅建設中止を勝ち取った。

