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【ゆうゆうLife】老いと生きる 詩人 藤川幸之助さん(47) (1/3ページ)
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■亡き父から介護のバトン 認知症の母が私を育てる
詩人の藤川幸之助さん(47)は12年前から、認知症の母親の介護を続け、体験を詩に発表している。「母と一緒に生きることが大事で、詩は後から生まれる」と語る藤川さん。「介護を通じて、いまだに母がまだ自分を育ててくれている」と介護の日々を振り返っている。(文・佐久間修志)
母の認知症は20年前、父から知らされました。両親は呉服店をしてましたが、母親が何度も同じことを言っておかしいと、病院に行ったようです。「お母さんは俺(おれ)が幸せにする。お前たちの手は借りない」。父はこう宣言しました。
その数カ月前も、母が同じ会話を繰り返したことがありました。私が「黙ってろ」って言うと、母は自室に引っ込み、三面鏡の前で「お母さん、お母さん」ってつぶやいていました。見ると、手帳に「お母さん」って。自分の呼び名さえ、忘れてしまう恐怖と戦ってたんです。
父は心臓の手術をして、障害者でもあるんですが、「残された生涯をお母さんのために生きていこうと思う」って。つらかったですよ。でも、父が「手は借りない」って話したとき、安堵(あんど)しました。ひどいでしょ。
父は頑張りました。「何時から食事」とか壁にスケジュールを張って、その通りにする。「お母さんと2人でためたお金だから」って、買ったものを「誠実なる生活」というタイトルのノートに記し、母に報告していました。
◇
母のことを詩に書こうと思ったのは、最初、介護がネタになると思ったからでした。でも、全く書けないんです。母を傍観的に見るだけで、一緒に生きていないんですから。
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