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寝たきり予防へ官学一体 広がる“ご当地体操” (1/2ページ)
介護が必要となる高齢者の寝たきりなどをできるだけ防ごうと、体の柔軟性や筋力を向上させる「介護予防体操」が、自治体と大学研究者による「官学連携」で開発され、普及してきた。検証の結果、予防効果があることが分かっており、各地で独自の取り組みが進んでいる。全国に広まり始めた“ご当地介護予防体操”とは−。(柳原一哉)
≪「明るくなれた」≫
9月末、東京都荒川区が実施する「荒川ころばん体操」の会場。約30人のお年寄りが、スローテンポの音楽に合わせ、脚を開いたり閉じたり、背伸びをしたりしていた。約18分間の体操を終え、タオルで汗をぬぐっていた参加者の奈須三恵子さん(70)は「3年間続けてきたが、ひざや腰が強くなった。体調もよくなり、風邪もひかなくなった。介護のお世話にならないよう、これからも頑張ります」と話した。
区が介護予防体操の普及に乗り出したのは平成14年。首都大学東京健康福祉学部の山田拓実准教授(理学療法科学)に協力を仰いだ。山田准教授によると、開発した体操は36項目で構成。下肢筋力の増強▽平衡感覚の向上▽柔軟性のアップ▽歩行練習−などがバランスよく盛り込まれている。
高齢者は、特に脚力が弱ったことが原因で転倒することが多い。足を骨折し、介護が必要な寝たきりになるケースが目立つ。荒川区の体操は、この転倒防止を念頭に置いて考案された。参加者からは「階段の昇降が楽になった」「友達が増え、明るくなれた」と好評。昨年度の参加者は延べ約5万6000人以上に達した。
≪速まる歩行速度≫
東京都文京区は地元の東京大学の協力を仰いだ。区はまず、文京本郷高齢者在宅サービスセンターの望月修センター長(理学療法士)に体操の開発を依頼。いすから立ち上がる動作を採り入れるなど下肢を鍛える内容とした。
東大医学部付属病院リハビリテーション部の芳賀信彦教授(リハビリテーション学)が効果を検証したところ、体操の参加者は、脚力がつく▽歩行速度が速くなる▽平衡感覚が養われる−といった効果が確認された。区は今年度から、「文の京介護予防体操」として本格普及に乗り出した。
参加している二俣君得さん(73)は「原因不明のめまいに悩まされていたが、体操を始めてから、それも減り、運動の大切さが分かった」と話す。


