ニュース: 生活 RSS feed
【ゆうゆうLife】医療 地域で違う保険料 高齢者医療制度の不思議(上) (2/3ページ)
◇
なぜ、同じ所得層でも、保険料に地域差が生じるのか−。厚生労働省は「最大の要因は老人医療費の差。老人医療費が高い都道府県ほど、そこに住む高齢者の保険料は高くなる」と説明する。75歳以上の高齢者の医療費が高い地域ほど、保険料も高いというわけだ。
新制度では、高齢者が医療機関で払う窓口負担(原則1割)を除き、5割が公費(税金)、4割が現役世代の保険料、残り1割が高齢者の保険料。また、高齢者(被保険者)への健康診断費用や葬祭費なども原則、保険料で集める。
高齢者の保険料は、半分を均等割、残りを所得割で賄う。しかし、所得の低い地域では、所得割額で半分を集めきれない。所得水準が全国平均を下回る広域連合は実に36と、47都道府県の4分の3を占める。こうした地域には、国が“仕送り”(調整交付金)を増やして格差を埋める。東京、神奈川など、所得水準の高い11の広域連合は所得割額を多く集められるので、その分、交付金が減らされる。
◇
表で保険料の高い都道府県を見ると、1人当たりの老人医療費の高い地域が並び、保険料が低い都道府県は老人医療費が安い。
保険料が最高の福岡県は1人当たりの老人医療費が平成14年度以降、4年連続で全国トップ。県内のある市の担当者は「深刻な状況を被保険者にもご理解いただき、老人医療費の適正化を進める必要がある」と話す。福岡県に次ぐ高知県は「長期療養に利用される療養病床が多く、入院医療費が高い。保険料が高いのは、老人医療費が全国で3番目に高いのが主因」(広域連合の担当者)と分析する。
一方、保険料の低い都道府県には、厚生労働省が「地道な保健指導などで、医療費の適正化に努めている」と評する長野県はじめ、老人医療費の低い都道府県が名を連ねる。新潟、長野、静岡の3県は19年の「厚生労働白書」で健診の受診率や高齢者の就業率も高いと指摘されており、医療費増に頭を痛める自治体の指針ともなりそうだ。


