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【ゆうゆうLife】編集部から 負担重い“終末期”
このニュースのトピックス:介護
「おれは医者に点滴の針、抜いてくれって言ったんだよ。もういいからって」。90歳の母親を看取った男性はつぶやいた。しかし、医師は点滴の針を抜こうとせず、そうこうしているうちに母親は亡くなったのだ。
男性は「母親の介護で、施設利用料が月に20万円かかったときもあった。おれも定年は過ぎたし、嫁や子供に負担をかけちゃうと思ったんだよ」と言う。
男性は父親を戦争で亡くし、戦後、母親とふたりきりで親戚(しんせき)宅を転々として糊口(ここう)をしのいだ。「居候の身は厳しいんだぜ。その家の家族より一段低い板の間でメシを食うんだ」
居候先の栄枯盛衰をみた男性は「堅実に暮らしてきたつもりだった」という。しかし、母親を看取る負担の重さは予想外だったようだ。「最後の最後で心穏やかに見送ってやれなかったのはちょっと悔やまれるね」
終末期の意思表示「リビング・ウィル」の取材で在宅ケア医に同行したが、どの家庭も「人生の終末期でこれほど苦労しようとは」と、嘆息した。
100歳の母親を在宅でみる娘は80歳。「私は心臓病なの。母の方が元気よ。“建国の母”を国で買い上げてくれないかしら」と一気にまくしたてると、返す刀で、「キムタクさんがテレビドラマのように、本当に総理になってくれないかしらねぇ。まったく」。
そう話す顔は決して笑っていなかった。(北村理)