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【訪問介護の今(上)】“窃盗天国”招いた業界の「開き直り」 (1/3ページ)
このニュースのトピックス:強盗事件
介護労働者の人材不足が深刻だ。待遇への不満などによる高い離職率が背景にあり、特に「訪問介護」の現場には、仕事量増加や介護員の質低下など多くの問題が横たわっている。厚生労働省も4月中旬、有識者らによる「介護労働者の確保・定着等に関する研究会」を立ち上げるなど対応に躍起。高齢者の自立を促し、社会全体で介護を担おうとする「介護保険制度」が始まって8年が過ぎた今、現場では何が起きているのか−。(道丸摩耶)
■消える現金 盗んでいたのは…
「どうして渡した生活費までなくなるんだ。愛人でもいるんじゃないのか」
都内の会社役員の中島彰さん(仮名)が、脳梗塞(こうそく)で倒れ、大手介護業者「コムスン」=事業譲渡=の訪問介護を受けていた父親(86)をそう罵倒(ばとう)したのは、3年ほど前のことだ。父親の家を訪れるたび、年金のほか毎月渡していた生活費が消えている。
中島さんは父親に家計簿をつけさせようとしたが、手が不自由なため、うまくいかない。痴呆(ちほう)症状も現れるため、記憶も定かではない。
ヘルパーが現金を盗んでいた−。その事実が分かったのは、1年近くたった後だった。

