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【明日へのセーフティーネット】再生の手がかり(2) 扶養義務 (2/2ページ)
「うちには適当な施設がない。大阪まで行ってそこで相談するのが一番だ」。大阪市の担当者は、ホームレスの男性が、近畿地方のある自治体の窓口で「片道切符」を渡され、実際に「大阪駅まで来た例があった」と憤る。
国と地方の間でも、せめぎ合いが続く。平成17年には、生活保護費の75%を負担する国が、一部を地方に肩代わりさせる厚生労働省案を打ち出した。「国の責任放棄。地方への負担転嫁以外の何物でもない」と地方側は猛反発。この案は立ち消えになったものの、大阪市幹部は、今年11月に示された国の地方分権改革推進委員会の中間まとめを取り上げ、「今でも要注意だ」と警戒感を隠さない。
中間まとめでは「現在の給付内容を国が責任を持つべき部分と地方が責任を持つべき部分とに分けて考えるべきだ」とする文言も盛り込まれている。これが、生活保護費のなかの住宅扶助や、教育扶助部分の負担を地方に移そうとした17年の厚労省案の再現につながりかねないという。
しかし、財政負担の割合が、国や自治体にとっていくら重要でも、国民にすれば、生活保護が公金で運営されているという事実は変わらない。
親族の扶養義務について、ケースワーカー経験者は「受給者と親族の関係修復の可能性がわずかでも残されている限り、照会は行うべきだ」と言う。仕送りがたとえわずかであっても、受給者にとって、肉親との「きずな」という金額以上の意味を持つことがあるからだ。
安易な責任回避や、負担の押し付け合いだけでは根本的な状況の改善にはつながらない。重要なのは生活保護を受けざるを得ない人と社会の間に「きずな」を再構築することではないだろうか。
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