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【厚労省のカルテ】(1)薬害恐れ新薬に二の足 (2/3ページ)
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深刻な病にかかった患者にとり、この差は生死を分けかねない大問題だ。がん情報を提供するNPO法人キャンサーネットジャパンの柳沢昭浩事務局長は「患者が自己負担で海外から薬を輸入し、自己責任で使用するケースもあとをたたないし、治療薬の存在すら知らない患者も多い」とドラッグ・ラグの現状を憂う。
厚労省には多くの患者から、ドラッグ・ラグ解消を求める声が届けられる。
舛添厚労相が打ち上げた公約は、審査基準の見直しのほか審査を行う「医薬品医療機器総合機構」の審査官を現在の倍以上の約400人までに増員することが柱。「平成23年度までには、承認期間を1年半にしたい」とまで言い切った。
必要性が叫ばれながら、長いこと手をつけられなかったドラッグ・ラグ解消。理由を厚労省幹部は、「薬害が発生した場合、企業と国の責任が整理できない。過去の薬害訴訟のインパクトが大きかった」と打ち明ける。医薬品には効果と合わせて副作用のリスクがある。対応を誤れば薬害事件に発展しかねない。
サリドマイド、スモン、ソリブジン、エイズ、肝炎、現在係争中のイレッサ…。旧厚生省の歴史は薬害の歴史であったといっても過言ではない。いきおい「新薬承認は慎重にやる」という雰囲気が厚労省内に、醸成されてきたことは間違いない。
今年1月の参院厚労委員会。新薬の早期承認に慎重な厚労省の雰囲気を突いた指摘が国会であった。発言したのは薬害エイズ被害者でもある川田龍平参院議員。「厚労省は、医薬品の開発や承認の迅速化に走るあまり、治験審査を簡略化しようとしている。薬害問題の根本解決という観点からも非常に問題だ」
別の日の厚労委員会では「承認を早める一方で、と副作用被害が出た場合の救済制度整備も必要ではないか」との指摘も出された。