MSN Japanのニュースサイトへようこそ。ここはニュース記事全文ページです。

【明日へのセーフティーネット】現場はいま(8)医療とビジネス (1/2ページ)

2008.4.6 09:13
このニュースのトピックス「明日へのセーフティーネット」

限られた「居場所」の闇

 院内では、外来の副看護師長というより、「ザイタクの中井さん」で通っている。

 中井まち子さんが所属する大阪府枚方市の大阪府立精神医療センター在宅医療室。外来病棟の片隅に平成13年に設けられた訪問看護の拠点は、専従スタッフ2人だけの小さな部署だ。しかし、「このチームがなかったら、病院は入院患者でいっぱいになってすぐに身動きがとれなくなる」と篭本孝雄院長が話すほど重要な役割を担っている。

 年間の訪問件数は延べ約3500件。訪問先のほとんどが、生活保護の医療扶助で治療を受けている患者たちだ。「多くの人は、精神障害があるというだけでしんどい思いをしている。さらに生活保護までもらっているということで、しんどくなる人もいる。『生活保護』ってなんなんやろって本当に考えさせられます」。そう語る中井さんの表情は真剣だ。

 設立から6年、何かあれば、医療スタッフが地域にすぐに駆けつけることで、患者だけでなく、近所の住民に安心してもらえることも少なくない。なにより、訪問先で、心の底から喜んでくれる姿に出合えることがやりがいにつながっている。

 しかし、活動への高い「評価」は、地域で暮らす精神障害者たちを取り巻く厳しい現実の裏返しでもある。精神医療の多くの現場では、退院して日常生活を送る力がある患者でも、親族や地域の都合で、入院生活を余儀なくされる「社会的入院」が、後を絶たないのが現実だ。

 生活保護と医療の問題を考えるうえで、避けて通れない事件がある。旧安田病院グループによる診療報酬詐欺事件がそれだ。グループは「ナイチンゲール主義」を標榜(ひょうぼう)し、身寄りのないお年寄りや、精神障害者など引き受け手の少ない生活保護受給者らを積極的に受け入れ、全国有数の収益をあげていた。そのグループに、大阪地検などの強制捜査のメスが入ったのは9年7月。「ここに入院させたことを後悔しています。でも他には行き場所がなかった」。報道関係者でごったがえす大阪市住吉区の旧安田病院前で、親族の男性(83)を見舞いに来たという男性(40)は当時の取材に答えた。

関連トピックス

PR
PR

PR

イザ!SANSPO.COMZAKZAKFuji Sankei BusinessiSANKEI EXPRESS
Copyright 2008 The Sankei Shimbun & Sankei Digital
このページ上に表示されるニュースの見出しおよび記事内容、あるいはリンク先の記事内容は MSN およびマイクロソフトの見解を反映するものではありません。
掲載されている記事・写真などコンテンツの無断転載を禁じます。