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【明日へのセーフティーネット】現場はいま(7)年金担保貸付 (2/3ページ)

2008.4.6 09:11
このニュースのトピックス「明日へのセーフティーネット」

 札幌市のケースで、夫婦を支援する立場だった「北海道生活と健康を守る会連合会」の細川久美子副会長は「この夫婦に責任がないとは思いませんが、第三者にだまされていた面もあったようです」と振り返る。そして、「そもそも国の外郭団体が年金を担保に貸し付けておきながら、そこに生活保護で制裁を加えることには制度矛盾がある。私たちは、貸し付け自体をやめてほしいと国に繰り返し訴えているんです」という。

 公的な借り入れができない場合、年金受給者がヤミ金融などに手を出す可能性も指摘されているが、細川副会長は、「借りられるから借りてしまう。これまで相談を受けた人で、年金担保貸付が受けられなければ、消費者金融から借りるしかないというような人はほとんどいません」とも話した。

 札幌市が18年12月に行った実態調査では、年金担保貸付を利用していた生活保護受給世帯88世帯で、借金の総額は1億3000万円に上っていたことが明らかになった。借金の回数は、2回が15世帯、3回以上が8世帯だった。

 今回の厚労省の改善策では、年金担保貸付の利用を繰り返している人には、生活保護を原則として受けさせないという方針も示された。しかし、本当に生活に困窮している場合、生活保護の申請を受けないことは「最低の生活水準を守る」という法の趣旨に反することになる。

 構造改革特区まで申請して、貸し付け時の審査強化を求めてきた埼玉県草加市の担当者は、今回の改善策について、「手続き上の改善は行われたが、厚生労働省の外郭団体が年金担保貸付業務を独占しつつ、結果として生活保護制度にしわ寄せをもたらしている状況は改善されているとは言い難い」と批判する。長崎県では17年、年金担保貸付を競艇で使い果たした男が、生活保護を受けようとして難色を示されたことに逆上し、ケースワーカーを刺殺する事件まで起きた。

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