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【明日へのセーフティーネット】現場はいま(7)年金担保貸付 (1/3ページ)

2008.4.6 09:11
このニュースのトピックス「明日へのセーフティーネット」

見えぬ目的と効果に不信

 「ようやく、本当にようやく、年金担保貸付制度にメスが入りました」。厚生労働省が、年金担保貸付について、改善策を打ち出した平成18年2月、大阪市の生活保護ケースワーカーは、思わずこんな感想を漏らした。生活保護の行政担当者が、現場で矛盾を強く感じる制度として必ず挙げるのが、年金担保貸付だ。「年金と生活保護費の二重取りを、国が奨励する制度」と批判する人もいる。

 年金担保貸付は、法的には厚労省の外郭団体「福祉医療機構」だけに認められる制度だ。年金受給者が、突然必要になった生活費や医療費などを工面するため、年金を担保に貸し付けを受ける。受給年金の年額の1・2倍(上限250万円)までの現金を一度に受け取れ、返済すれば繰り返し利用することも可能だ。貸付額は増加傾向にあり、17年度は21万7000件、2292億円だ。

 しかし、多重債務の返済や、ギャンブルなどに貸付金を使い切った末に、生活保護を受ける例も後を絶たない。生活保護受給中は、年金の全額または一部が貸し付けの返済にあてられ、生活費の足りない分は保護費で穴埋めすることになる。厚労省のまとめでは、生活保護受給者で年金担保貸付の利用歴のある人は、全国で1万3267人(18年10月末時点)にのぼる。

 「知人とマージャン店を共同経営する」といって、札幌市の80代の男性が、最初に220万円の年金担保貸付を受けたのは13年だった。男性は80代の妻と2人で月約20万円の年金収入があり、生活保護の受給対象ではなかったが、その後、借入金を使い果たし「生活に困窮した」として10カ月間、生活保護を受けた。夫婦は、16年に2人で計320万円、17年にも計310万円を借り入れたものの使い果たし、18年に3度目の生活保護を申請した。

 度重なる申請に、札幌市は生活保護費の減額支給を決めたが、北海道はこれを違法と判断。結局、満額の保護費が支給されることになった。

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