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【明日へのセーフティーネット】現場はいま(5)連戦連勝 (1/2ページ)

2008.4.5 09:02
このニュースのトピックス「明日へのセーフティーネット」

生活保護への理解深めたい

 生活保護関連の訴訟で、国や行政を相手に連戦連勝を続ける弁護士集団の本拠が京都市にある。平成7年に設立された全国生活保護裁判連絡会。盲目の人権派弁護士、竹下義樹氏が事務局長を務めることでも知られ、全国の司法関係者や生活保護担当の間でその活動を知らない人はいない。

 連絡会の代表委員で、弁護士の尾藤廣喜さんは、原告の代理人を務めた生活保護関連の十数件の裁判で敗訴したのは1件だけという「戦歴」を持つ。20代のころには、厚生省(当時)のキャリアとして保護課に勤務し、生活保護法を運用する立場にあった異色の経歴の持ち主でもある。

 一般的には、原告側が勝つことは難しいとされる行政訴訟だが、「生活保護の裁判で勝つことはそう難しくはない。現場に無法状態が蔓延(まんえん)しているからです。被告側は負けるべくして負けている」と言い切る。

 なぜ、そんな「無法」が現場でまかり通るのか。「生活保護に対する世論の支持がないからです。生活保護は国からのお恵みといった意識が根強く、正当な国民の権利だと自覚している人は、まだ少ない」と尾藤さんは話す。

 福岡県の男性が、子供の進学のために、保護費を節約してかけた月額3000円の学資保険が認められるかどうかが問われた訴訟では、1審・原告敗訴の新聞記事を見て、急遽(きゅうきょ)、弁護団に加わり、上級審でひっくり返した。名古屋市のホームレス男性に対する生活保護申請をめぐる裁判では控訴審で逆転敗訴したものの、裁判所はホームレスの保護申請権そのものについては認めた。ホームレスへの生活保護適用、さらに自立支援特別措置法の成立などに与えた影響は少なくない。

 現在は、高齢者や母子家庭に配慮し生活保護費を上積みしてきた老齢加算、母子加算廃止の違憲、違法性を問う訴訟に精力を注いでいる。

 “連戦連勝”ではあるものの、司法の世界でさえ、巨額の報酬を期待しにくい生活保護裁判を手がける弁護士は、まだまだ少ない。明らかに違法と考えられる事例でも、地方に行けば、地元の弁護士会に、訴訟を支援する弁護士が全くいないということも珍しくないのが現実だという。

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