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【主張】社会保障国民会議 先送りの言い訳にするな
年金や医療、介護をはじめ社会保障制度の抜本改革を検討する「社会保障国民会議」の初会合が開かれた。少子高齢化の進行を踏まえ、負担と給付の在り方を一体的に議論するという。
メンバーには学者や経済界、労働組合、社会福祉関係団体の代表者らが名を連ねた。日本は今後、急速に人口が減り、社会構造が大きく変わることが予想される。少子高齢化が進めば、社会保障は給付を減らすか、負担を増やさない限りどこかで行き詰まる。
社会保障はさまざまな利害がぶつかり合うだけに、幅広い立場からの実りある真剣な議論を期待したい。
国民会議は6月に中間報告を出し、秋には最終報告をまとめる予定だ。「雇用・年金」「医療・介護・福祉」「少子化・ワークライフバランス」の3分科会で急ピッチで議論を進めるというが、あまりに時間が少ない。議論の入り口で、間口を広げすぎたのでは間に合わない。
例えば、年金制度では、社会保険方式の堅持を前提にするのか、税方式への転換も選択肢とするのかでは議論の進め方も大きく異なる。福田康夫首相は、会議のメンバーに何を検討してもらいたいのか、政権が目指す方向性を明確に示すべきだ。
国民会議では、今後の社会保障の必要財源も議論するという。歳出削減の徹底は当然だが、それだけで財源をまかなえないことは、多くの国民にも浸透してきている。消費税の引き上げ幅を含め、具体的結論を期待したい。
ただ、平成21年度からの基礎年金国庫負担割合2分の1への引き上げは法律にも明記されており、待ったなしだ。現行の年金制度はその引き上げが前提になっている。時期をずらす分だけ年金財政は悪化する。
福田政権は、増税への反対世論に腰が引けて、「2分の1」引き上げの財源について先送りしているが、これ以上の様子見は許されない。国民会議の議論以前の問題であろう。国民会議を、さらなる先延ばしの言い訳に使うことがあってはならない。
政権交代のたびに社会保障制度が変わったのでは国民が混乱する。会議への参加を拒否した民主党も、参院第一党として、給付と負担に対する説明責任から逃げることはできない。