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開業医の初・再診料引き下げが焦点に 診療報酬の個別点数配分議論へ
平成20年度の診療報酬改定は、今月中旬から、中央社会保険医療協議会(中医協=厚生労働相の諮問機関)で具体的な報酬額の議論に入る。診療報酬全体では引き下げられたとはいえ、医師の技術料にあたる本体部分は0・38%プラスになった。本体引き上げの理由となったのが勤務医の負担軽減策。そのカギとなる「開業医の初・再診料引き下げ」が焦点となる。75歳以上の後期高齢者医療の報酬体系や、後発医薬品の普及などの新施策もあり、活発な議論が行われそうだ。
■勤務医の負担軽減
開業医の初・再診料引き下げ案は、医師不足の大きな原因となっている勤務医の待遇改善策の議論の中で浮上した。
厚労省は、夜間の救急患者が大病院に殺到し、勤務医に激務を強いている現状を踏まえ、開業医の夜間報酬を手厚くし、救急医療を分担してもらう方針を打ち出した。
現在救急指定のない開業医は、午後6時以降開業しても通常の診察料だが、来年度からは、救急指定がなくても午後6時過ぎには、一定の時間外加算を適用する内容だ。
その場合、値上げ分は患者の窓口負担に跳ね返る。そこで厚労省が考え出したのが、開業医の初診料および2回目以降の再診料を引き下げる案だった。
これが実現すると夜間診療を受け付けない開業医の報酬は下がることになる。このため、日本医師会などが強硬に反対、厚労省もいったんは「夜間加算と初・再診料は切り離す」と後退させた。
ところが、診療報酬の本体部分引き上げに伴い、結果的に健康保険組合がその財源を肩代わりする格好になった。このため、「勤務医対策のための報酬引き上げならば、サラリーマンだけでなく、高収入の開業医も痛みを分かち合うべきだ」との世論が広がった。
与党内からも「開業医の優遇となれば、世論の反発は避けられない」との声が出ている。再浮上した初・再診料引き下げにどこまで踏み込めるか。今回改定の最大ポイントとなる。
■後期高齢者
75歳以上の後期高齢者を対象に新たに整備される診療報酬体系も大きな論点になる。
初診時に患者の病歴や受診歴に加え、利用中の医療・介護サービスなどを詳細に聞き取るため初診料の窓口負担を増やし、2回目以降の診療は経過観察や継続的な管理・指導が中心となるため、再診料を下げる方針が固まっている。
また、かかりつけの主治医を中心に在宅での治療が進められるよう、糖尿病や高血圧といった慢性疾患を抱える患者には、主治医が年間診療計画を作成し、継続的に病状管理していく方針だ。
ただ、後期高齢者は大きな病気にかかりやすく、医療費が高額になるケースが想定される。治療費の高騰を防ぐため、主治医の指導や検査、画像診断などを包括した定額払いを導入する考えだが、主治医の定義や、定額払いの範囲などが議論される。
■後発薬の普及
医療費抑制の目玉として期待される後発医薬品の普及策も大きな課題だ。
現行では、医師が後発薬に変更してよいと判断したときに、処方箋(せん)の「変更可」の欄をチェックする。この様式を、医師が変更を認めない場合にのみ署名するよう変える。後発薬使用を前提とする180度の方針転換となる。
後発薬は不安、という人のために「お試し期間」を設けることや、在庫がない場合に薬剤師の判断で別の後発薬への変更も認めることも固まっている。
後発薬の普及には薬局の積極的な取り組みが不可欠だ。薬局の後発薬調剤率が3割以上となった場合、調剤報酬が上乗せされるため、引き上げ幅などが焦点となる。
このほか、今回の診療報酬改定では、義務化される診療報酬明細書(レセプト)並みの詳しい領収書発行の実費を患者から徴収することを認める。また、脳卒中などの入院患者のリハビリテーションを対象に、病状の改善度合いで診療報酬に差を付ける成果主義の導入も図られる。これらの具体的な額や基準の設定も中医協で協議される。