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責任者への切り込み不足 年金不信払拭は困難
このニュースのトピックス:年金問題
総務省の「年金記録問題検証委員会」がまとめた最終報告書は責任の所在について「歴代の社会保険庁長官をはじめとする幹部職員の責任は最も重い」と断罪したが、固有名を挙げることを避け個人の責任には踏み込まなかった。歴代厚相や厚生労働相には「組織上の統括者としての責任は免れない」としただけだ。
資料編も含め700ページを超す報告書は5000万件の未統合記録のサンプル調査など努力と工夫もうかがえるが、すでに国会審議などで指摘されてきたことを網羅した印象が強く、全体的に切り込み不足は否めない。
検証委員会の松尾邦弘座長は6月の初会合時の記者会見で、検証にあたってのヒアリング対象について、歴代の厚相・厚労相も「聖域ではない」と明言していた。
与野党が、基礎年金番号導入時期に厚相を務めた民主党の菅直人代表代行や、小泉純一郎元首相らの責任論をめぐり激論を戦わせていたこともあり期待も大きかったが、検証委員会が政治家から聞き取りを行った形跡はうかがえず尻すぼみとなった。社保庁長官らからの聴取も限定的なものに終わった。
ずさんな記録管理によって国民は老後の安心を脅かされた。時々のどの幹部がどのような指示を出し政策判断ミスはなかったのか−などを知る権利がある。報告書は「年金記録に関心を持ち、記録確認や照会に応答するなど、国民の側の監視と協力も重要である」と結んだが、具体的な責任を明確にし、真の反省を示さない限り、国が国民の信頼を回復し、協力を取り付けることは難しい。(河合雅司)
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